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小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)の一日】

 新婚、新妻……そんな魅惑の肩書きを新たに手に入れた美羽。
 彼女は今、蒼空学園の制服の上からエプロンを身に纏い、新妻力を遺憾なく発揮している。
 トーストとハムエッグというおしどり夫婦の朝食を食べ、太陽よりも明るい笑顔を浮かべる。

―そろそろ出かけられたほうが。

「んっ!? ごくん、ぷはっ。そうだね、もう行かないと! 行ってきまーす!」
 いってらっしゃい、と危うく見送りそうになったが我々も追わねば。

 無事に蒼空学園へついた美羽。
 すれ違う生徒に向けて挨拶は欠かさない。
 また、勉強もスポーツも明るく元気にこなす。文武両道である。
「新婚生活はどう?」
「うんっ、すっごく幸せだよ!」
 等と皆に幸せを振りまいている。
 また、彼女は生徒会副会長という一面も持っている。
 他校との交流に重きを置き、よく他校から生徒や先生を招いて意見を交わしている。
 今日は大事な友人でもある、高原 瀬蓮(たかはら・せれん)アイリス・ブルーエアリアル(あいりす・ぶるーえありある)を学園に呼んでいた。
「ようこそ、パラ実校長のアイリス様!」
「ははっ随分と他人行儀、いや礼儀正しいと言うべきか。
 ……本日はお招きいただきまことに感謝しております、蒼空学園生徒会副会長殿」
 形式ばったやりとりをしている二人の横で、瀬蓮はきょとんとしていた。
「どうしたの二人とも? ま、まさか!? 喧嘩でもしたの!?」
 瀬蓮が慌て始める。と美羽に抱きついた。
 そんな瀬蓮を美羽は優しく抱きとめ「そんなことないよ」と囁いた。
「ちょっとした遊びだよっ!」
「ああ、僕たちはずっと良き友人さ」
「……よかった〜」
 二人の言葉に瀬蓮は安堵の表情を浮かべた。

 アイリスと学園同士の交流を行いつつ、瀬蓮との中も深めた美羽。
 放課後になるとすぐさま空京へと向かい、シャンバラの宮殿でロイヤルガードの一員として警備を担当していた。
 まだ少女でありながら、これだけの仕事をテキパキとこなす美羽。

―今の生活、辛くないですか。

 我々の言葉が思わず漏れ出すが、そんな言葉にも美羽は笑顔で対応してくれる。
「少しだけ疲れる日もあるけど、それ以上に充実してるから。
 それに今は、幸せ全開だからまだまだいけるよ!」
 カメラの前で大きなVサインをしてウインクをする美羽。
 美羽の元気さは、我々にも、周りの人たちも笑顔にする。そんな気がした。

 これが小鳥遊 美羽の一日――