|
|
リアクション
【リア・レオニス(りあ・れおにす)の一日】
空京にある住宅でリアは目を覚ます。
野菜ジュース、ミルクがけのシリアルに、ゆで卵とソーセージという朝食。
それらを口にしつつ、新聞に軽く目を通す。
時間がきたら、大切な人から送られた時計を巻いて、写真に向かって「行ってきます」と笑顔を向ける。
と、
「あ、カメラ回ってた!?」
―バッチリとってますよ。
朝から失敗したーという表情をしつつ、リアは住宅を後にする。
自転車で宮殿へと向かい、ロイヤルガードとしての責務を果たす。
迷ってる人を見かければ放っておくこともせず、親切に道を教えたりしてやっていた。
好青年ながらも、ロイヤルガードとしての誠意ある対応、実に様になっていた。
昼休み。食堂で昼食。
物思いに更けているとセレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)と高根沢 理子(たかねざわ・りこ)
の二人と出会う。
「ロイヤルガード様の憂鬱、かしら?」
「ははっ、憂鬱なんて程じゃないよ」
理子の冗談めかした物言いに、軽く笑って返答するリア。
昼食という短い時間、三人は談笑する。
「よく聞くぞ、ロイヤルガードの好青年が道に詳しい、とな」
「んー……確かに道を教えることは多いけどね。当たり前をやっているだけさ」
「おおう。いいねいいね、あたしたちも見習わないとね」
目を瞑った理子が「うんうん」と唸りながら首を縦に振る。
「二人も大変だろう、代王の仕事。あんまり頑張りすぎて、倒れないようにな」
「心配ないのだ。私も代王になってそう短くもない、手を抜けるところは抜いている」
「同じく。あっ、でもサボってるってわけじゃないわよ?」
「わかってるよ。俺も見習わないとな、そういうところは」
三人の会話が途切れることはない。つらりつらりと続いていく。
だが時間は限られている。三人が三人、中々に忙しいのだ。
「ではそろそろ行くわね」
「また何かあれば、ゆるりと話そう」
「ああ、そうだな。お互い、頑張っていこうな」
リアの言葉に二人は静かに頷いて、去っていった。
全ての仕事を終えると、リアは買い物をしにいった。
―よくお料理はされるんですか。
「基本的に自炊だからね。家事も得意だし。
今から行けばセール品もいっぱいあって、色々お得だから」
ロイヤルガード、そして契約者でもある彼だが、特別にしている風なことはない。
極自然で、我々と一緒なんだ、そう身を持って証明してくれいてるようでもある。
もしかしたら、彼は無意識の内にそれを訴えてくれているのかも、しれない。
これがリア・レオニスの一日――