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ゴチメイ隊が行く4 ひょっこり・ぷっかり

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ゴチメイ隊が行く4 ひょっこり・ぷっかり

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「なんでしょう、何かゆれてませんか?」
 突然足下がゆれだして、三笠のぞみがナナ・ノルデンにつかまりながら言った。
「何か出てきたよ」
 島の外縁部近くの岩場をさして、ズィーベン・ズューデンが言う。
「なんでしょう、アンテナ? それともミサイルランチャーか何かでしょうか」
 岩場の一部がスライドして、ブロックごと突き出ていくのを見つめながら、ローザマリア・クライツァールがそれがなんなのか図りかねて叫んだ。
 
    ★    ★    ★
 
「なんです、この振動は!?」
 ココ・カンパーニュたちと島の外縁部近くへとやってきていた本郷涼介は、突然の地震のような震動に、あわてて身を低くして構えた。
 もちろん、この浮遊島で地震が起こるはずがない。だとすれば、何が起こっているのだろうか。
「ああっ、あれを見るんだもん!」
 ヴァルキリーの集落アリアクルスイドが、少し先の岩場を指さして叫んだ。
 ちょうど反対側にいる三笠のぞみたちと同じように、岩の一部がスライドして箱とも塔ともつかないようなブロックが突出する。なんだか、巨大な扇風機をいくつも縦にならべたような箱状の突起だ。
 次の瞬間、凄まじい音をたてて扇風機が回りだした。そして、点火する。
「うわっ」
 予期しない衝撃に、一同は地面に伏せた。
「これってえ、ジェットエンジンじゃないのですかあ!」
 凄まじい騒音の中で、チャイ・セイロンが叫んだ。
「なんだって、そんな物があるのよ!」
「おそらく、シニストラさんたちが運んでいた物だと思います!」
 アルディミアク・ミトゥナが、ココ・カンパーニュに答えた。
「まさかね」
 嫌な感じがして、マサラ・アッサムがペコ・フラワリーと顔を見合わせた。
 だが、その予感通りに、浮遊島が動きだした。
 
    ★    ★    ★
 
「うーん、とりあえず島を半周したけれど、今のところは何も見つからないですね」
 雪国ベアの操縦する小型飛空艇アルバトロスから、ソア・ウェンボリスは浮遊島の外周を調べていた。激しい気流にたびたび翻弄されそうになるが、雪国ベアは、よく小型飛空艇を操縦していた。
 気流に落ちた後ずいぶん流されたらしく、他の者たちとはまだ会えずにいる。いや、むしろ、他の者たちが島の上を探索していたのとは違って、島の外周下部に何か秘密がないのかと独自に調べていたのだった。
 だいたい、島が動くこと自体おかしいと思えるので、もしかしたら、何か島を動かす方法というものがあるのかもしれないとあたりをつけていたのだった。もちろん、闇市で、オプシディアンが巨大なエンジンのような物を運び去ったのを雪国ベアが目撃したと言うことも根拠の一つだ。
「ねえ、私のゴーストが何か見つけたって言ってるよ」
 『空中庭園』ソラが、先行して霧に埋もれている部分を調べに行ったゴーストを指さして言った。
「何か見つけたのかし……」
 ソア・ウェンボリスが、そちらを気にしたときだった。
 突然、凄まじい音ともに霧の中から火炎が噴き出した。それも、火炎放射器のような赤い炎ではない。青白い超高温の噴射だ。
 一瞬にして、ゴーストがその炎に飲み込まれて消滅する。
「ベア、回避してください」
「おうよ、任せとけ」
 動きだした浮遊島と接触しないように上昇して、ソア・ウェンボリスたちはあらためて下を見下ろした。
 島の後部と言っていいのだろうか、そこから激しく炎が噴き出している。まるで巨大なロケットか宇宙船のようだ。島の左右にも何箇所か突き出た部分があり、右側のいくつかがメインエンジンとくらべたら遥かに出力は小さそうだがものすごい勢いの炎を噴き出していた。それによって、浮遊島がゆっくりとむきを変えて進んで行く。
「追いかけて、ベア」
 この気流に取り残されては大変と、ソア・ウェンボリスたちは、島の中央にむかって移動した。
 島はドンドン加速していく。
 風が変わった。
「別の気流に乗った?」
 ソア・ウェンボリスが小首をかしげた。いったい、この島はどこへむけて進路を変えたのだろうか……。
 
    ★    ★    ★
 
「浮遊島は、無事に進路を変えたようです。蒼空学園から盗み出したデータにあった、空京へむかう気流にも乗ったものと思われます」
 アクアマリンが、コンピュータの画面を見ながら、ジェイドに報告した。
「メカ小ババ様と、メイドロボは?」
「ほぼ配置につきました。トロイの木馬とあわせて、空大のデータにあった有線と無線の回線基地局に同時にアタックをかけて通信網とそれに繋がるシステムをダウンさせます。誘導ビーコンも順調です」
 ジェイドの問いに、アクアマリンがてきぱきと答えていった。
「よろしい。さて、契約者の諸君。シャンパラ宮殿へと一直線にむかう、質量兵器と化した直径一千五百メートルもの浮遊島をどうやって防ぎます? 直撃すれば高さ一千メートルを目指すシャンバラ宮殿は倒壊。その崩落に巻き込まれた空京は全滅。その衝撃で天沼矛も崩れ落ち、海京も同じ運命を辿りますよ。実に楽しみです」
 そうつぶやくように言うと、ジェイドは熱い紅茶を優雅に口へと運んだ。
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 やっとこ、ゴチメイシリーズの方のクライマックスです。
 まあ、だいたい予想通りだったぜという人も、予想外だったという人も、後一回おつきあいくださいませ。
 一応キャンペーンシナリオですから、どうせ助かっちゃうんだろなんてたかをくくっていると大変なことになるかもしれません。

 以下、今シナリオ終了時の現在位置です。
 LCに関しては、特別名前が載っていない場合は、MCと一緒ということになります。
 継続参加される方は、おおよそ以下の位置から次回スタートとなります。
 
★ベースキャンプ
一条アリーセ   ジャワ・ディンブラ
 
★中央アンテナ塔
小鳥遊美羽
 
★左スラスター
ナナ・ノルデン   ローザマリア・クライツァール   グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー
三笠のぞみ
 
★右スラスター
浅葱翡翠   月谷要   エリシュカ・ルツィア・ニーナ・ハシェコヴァ   エシク・ジョーザ・ボルチェ
リア・レオニス   トマス・ファーニナル   水心子緋雨   本郷涼介   レン・オズワルド
トライブ・ロックスター   秋月葵   ゴチメイ隊
 
★メインブースター
ソア・ウェンボリス(小型飛空艇搭乗)
 
★地下施設入り口
三船敬一   クロセル・ラインツァート
 
★地下入り口近くの敵防衛線
メニエス・レイン   安芸宮和輝   神和綺人   日比谷皐月
 
★彷徨える島のどこか。基本的に好きな所へ行ける。他の場所に同行していたでも可能。
久世沙幸   国頭武尊   樹月刀真   清泉北都   カレン・クレスティア   藍澤黎
ランツェレット・ハンマーシュミット   朝野未沙   ルイ・フリード   紫月唯斗
御剣紫音   クド・ストレイフ
 
★彷徨える島のどこかで迷子
茅野菫   メイベル・ポーター   イーオン・アルカヌム   セルウィー・フォルトゥム
フィーネ・クラヴィス(イーオンとは別位置)   神代明日香   アキラ・セイルーン
 
★空京大学
リリ・スノーウォーカー   ラルク・クローディス   戦部小次郎   影野陽太
毒島大佐   大久保泰輔
 
★ラジオ・シャンバラ
日堂真宵
 
★空京倉庫街
緋桜ケイ   ミルディア・ディスティン   リカイン・フェルマータ
 
★ツァンダ南端(実質フリー)
いんすますぽに夫