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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)

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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)
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リアクション

 
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「ふむ、そろそろ始まるようだな」
 少し離れたところから観戦しているジャワ・ディンブラ(じゃわ・でぃんぶら)が言った。
「イコンとやらの戦闘力、我らとどの程度比類すべきものであるのか、しかと確かめさせてもらおう」
 丘の上に陣どるように寝そべりながら、ジャワ・ディンブラが、続々と集まってくるイコンたちを見据えた。
 
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「ホームポジション確認。オートフィッティング完了。同調したのだ」
 ララ・サーズデイを中心としてXYZ軸上にゆっくくりと回転する三つの魔法陣と、その各方位を司る計三六の水晶玉が燦めいた。
「ゆけ! 快刀乱麻! 銀河美少女ラルク・デ・ラ・ローズッ!」
 コックピット内の制御シートから立ちあがって、リリ・スノーウォーカーが全天モニターの前方を指さして叫んだ。
 ララ・サーズデイが騎士の礼のポーズをとると、それに合わせてラルク・デ・ラ・ローズがまったく同じ動きをしてみせた。
「すべて良好だ」
「よし、バトルフィールドに移動するのだ」
 両足を揃えてラルク・デ・ラ・ローズがふわりと浮かびあがると、所定の位置へと移動していった。
 
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「まもなく作戦空域に到着する。気を引き締めるのじゃぞ」
 地形図と照らし合わせたレーダーを見ながら、イスカ・アレクサンドロスが平等院鳳凰堂レオに告げた。
「了解した。巡航モードから戦闘モードへ移動する。タイミングを計って戦闘域に突入するぞ」
「マジックカノン、チャージ開始じゃ」
 アイオロスが、機体を起こしてスピードを落とすと、マジックキャノンを構えた。
 
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「我、砕、世界、終焉……永久……再生……」
 ジガン・シールダーズの魔鎧から、ザムド・ヒュッケバインの呪文とも思えるつぶやきが聞こえ続ける。
「ひゃっはははは、始まる、始まるぜ。壊して壊して壊しまくってやるぞぉ。一つずつ、足も、手も、頭も、全部だあっははははははは……」
 ザムド・ヒュッケバインに感化されているのか、ジガン・シールダーズが狂気の叫びをあげる。
「ますたー、ステキぃ。ねえねえ、ボクの格好どう? 興奮して戦闘に燃えられそう? はああ……、なんだかボクも……。一緒にやっちゃおう♪」
 紐ビキニにウサ耳ヘアバンドだけというパイロットスーツとしてはダメだろうという姿のエメト・アキシオンが、自分の身体をさすりながらくねくねと身をくねらせた。
「目標……殲滅……否、模擬戦……?」
 ザムド・ヒュッケバインがつぶやくが、もはや二人の耳には入ってはいないようだ。
 
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「味方は、柊さんのイクスシュラウドと鳴神さんのゴッドサンダーだよ」
「了解。識別コード確認したぜ。……まだバトルフィールドに到着していない敵イコンもあるようだな。索敵に集中しろよ。どこに伏兵がいるか分からないからな」
 ライゼ・エンブの言葉に、朝霧垂が言った。
「もちろん。伏兵は、ボクたちこそがなるんだよね」
 地形の起伏を利用して機体を隠蔽しながら、ライゼ・エンブが敵機の位置を確認していった。
 
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『戦闘域に入りました。メインコントロールお返しします。ユー・ハブ・コントロール?』
『アイ・ハブ・コントロール。よし、情報管制は任せる』
 ヴェルリア・アルカトルから操縦を引き継いだ柊真司が、イクスシュラウドを低空でホバリングさせながらゆっくりと移動させていった。
『レギュレーションでは、模擬弾使用とありましたが、半数以上が実弾を装備しているので、実弾許可が下りています』
「いや、今さら、それはないだろう。どうするんだ!?」
 突然のヴェルリア・アルカトルからの報告に、柊真司がちょっと焦る。戦闘中は精神感応を使う取り決めだったが、思わず肉声で叫んでしまった。
 律儀にちゃんと模擬弾であるペイント弾と、低出力ビーム関係を揃えてきたというのに。ただ、これでは敵の武器の破壊はほとんど不可能なのと、見た目がやはり地味だということで、多くの者が実弾を装備してきてしまったらしい。というか、殺る気満々だろうと叫びたくなる。
『大丈夫です。現在、私のフラワシさんが、実体化した実弾とエネルギーパックに換装中です』
『よし、よくやった。これで心おきなく戦えるな』
 移動中の機体表面では、フラワシが空中から弾倉を実体化させて、アサルトライフルの弾倉とせっせと交換をしていた。
 
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「時間だよ、裁♪」
 コックピットの中だというのに、周囲に多数の吸血コウモリを飛び回らせながらアリス・セカンドカラーが言った。
「うん。立ちあがれ、ゴッドサンダー!」
 鳴神裁がコントロールレバーを引くと、巨大な折りたたみ椅子に座っていたゴッドサンダーが、横においてあったマジックカノンを拾いあげてすっくと立ちあがった。まるで、巨大なメイスか何かのように、ブンとマジックカノンを振り回して調子を確かめる。
「ちょっと、それ、あくまでも銃だからね。殴るものじゃないんだもん」
 少し不安を感じたアリス・セカンドカラーが突っ込む。
「大丈夫だもん。要は敵を倒せばいいんだよね」
 アリス・セカンドカラーの言葉をなかば無視するかのように、鳴神裁はひょいとマジックカノンを肩に担げあげた。