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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)

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イコン博覧会(ゴチメイ隊が行く)
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リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「別の場所に敵が現れたの? 行くよ、ベアトリーチェ!」
 完全に出遅れた小鳥遊美羽が、待機させていたイーグリット・アサルトに呼びかけた。
『どうぞ、お乗りください』
 グラディウスの中からベアトリーチェ・アイブリンガーが答え、イコンの身をかがめて、右手を差し出した。さの上に小鳥遊美羽が飛び乗ったのを確認すると、開いたコックピットハッチの部分まで運び上げる。
「急ぐんだもん」
 飛び移ったパイロットシートで素早く安全ベルトを引き下ろして身体を固定すると、小鳥遊美羽はコックピットハッチが閉まるのももどかしげにグラディウスを発進させた。
 いったん上空に上がって、全体の状況を把握する。
 あちこちで騒ぎが起こっているようだが、天御柱学院のブースで異様な風景を目撃した。
 ゆっくりと動くイーグリットの前に、一人の青年が宙に浮かんでいたのだ。
「危ないんだもん、早く避難して!」
 急行した小鳥遊美羽が、青年に呼びかけた。
「危ない? それはどうも。でも大丈夫ですよ」
 落ち着いた口調で、ルビーが答える。
「でも……」
「危ないんだそうですよ?」
 戸惑う小鳥遊美羽に、ルビーがイーグリットにむかって相談するかのように声をかけた。
 さすがに、小鳥遊美羽がダブルビームサーベルを抜き放って、青年とイーグリットに警戒する。
「イコンはいいですね。パラミタの文化と、人類の文化の融合した一つの極みだ。それは、もうすでにどちらの物でもないということを端的に表していませんか? そう。古い考えなどに、新たに生まれた物を動かす資格はない。古き物は、新しき物に従えばいいんです。それが、理に反するのであれば、正しき物を新しき物とすればいい。そうは思いませんか?」
「ちっとも分からないよ」
 ルビーが何を言いたいのか理解できず、小鳥遊美羽が言い返した。
「でしたら、道をお開けなさい。さあ!」
 ルビーが、大仰に手を振って小鳥遊美羽に下がるように言った。不思議なことに、背後のイーグリットがまったく同じ動きをする。
「とにかく、イーグリットを持ってっちゃダメなんだもん!」
 動きだそうとするイーグリットに、小鳥遊美羽がダブルビームサーベルをクロスさせて突き出そうとした。その瞬間、横から強烈な打撃を受けて、グラディウスが転倒した。
 掌底をグラディウスの脇に入れた玉霞がスッと片膝を着いてルビーに礼をする。
「遅くなりました。お迎えにあがりました」
 アラバスターの声が響く。
「やあ、少し待ちかねたよ。では、行くとしようか」
 言ったとたん、炎の輪が降りてきて、ルビーの姿がその中に消えた。同時に、イーグリットのコックピットの中に同様の炎の輪が現れ、転移したルビーがそこから降りてきた。ストンと、パイロットシートに収まる。その後ろには、今までイーグリットを操作していたメカ小ババ様の姿があった。
 それぞれのイコンが固定されていたために、ルビーたちは易々と正確な転移をはたして、好みのイコンを強奪できたのだった。
「待って、逃がさないよー
 体勢を立てなおした小鳥遊美羽がアサルトライフルをルビーたちにむけたときには、すでにアラバスターの作りだした空間の門に、玉霞とイーグリットが姿を消した後だった。
 避難時の混乱からわずかに怪我人は出たが、イコンを六機も盗まれるという大事件のわりには、被害はほとんど出てはいなかった。
 だが、盗まれたイコンの行方も、その目的も、その後しばらくは不明のままであった。
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 イコン博覧会お届けです。
 扱う情報量が多いので、かなり手こずりました。
 一応大まかなところは説明されていますが、あくまでも博覧会での宣伝情報ですので、学校によってはいろいろとフェイクをかましている場合もあるかとは思います。そのへんは、別のシナリオで解明されていくことでしょう。
 
 模擬戦の方は、予定ではペイント弾などのはずだったんですが、実体剣やワイヤーなど、模擬戦用の武装におきかえにくい物が多かったのと、やはり戦闘がじみーになってしまうので、実体弾ということに変更しました。思い切りブチ壊れたイコンの方々ごめんなさい。
 
 なお、Zwei ohr Kukenが、文字コードの関係でリンクが張れませんでしたので、通常表記となっています。シフトJISにない文字を使いますと、表示、及び、リンク不可能になりますので御注意ください。
 
 3月13日 パイロットの間違いを修正。他、何箇所かを修正。
 6月25日 アグニ関連の部分を修正。