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リアクション
第七章 ダークスケルトンの戦い
リンスレットが舞踏会の会場で怒りだした頃、如月 要(きさらぎ・かなめ)は舞うような美しい動きで、スケルトンを一刀両断にしていた。
「次っ!」
要は剣舞でスケルトンを翻弄しつつ、足や手を斬り飛ばして行き、留めにスケルトンを真っ二つに割っていた。
リンスレットの足元には、ひび割れたスケルトンが転がっている。
「よし……行こう!」
香川成美が要と共に、スケルトンを倒そうと進む。
「それじゃ、道を作りますよ!」
要はツインスラッシュを連発して、スケルトンたちを薙ぎ払い、道を開いた。
アレッサンドロ・ヴィスコンティ(あれっさんどろ・びすこんてぃ)はアサルトカービンを構え、後から成美と要を援護する。
「みんな進め。俺が援護する。弾は外さん。信じていけ!」
アレッサンドロのその言葉を信じて、神地 地球(かみじ・てら)たちも進む。
同時にその後ろから天恵 真癒巫(てんけい・まゆみ)と待田 イングヒルト(まちだ・いんぐひると)
の僧侶組も進む。
しかし、しばらくして、イングヒルトの悲鳴が上がった。
「あわわ、尖ったもの向けないでくださいよーっ!」
その悲鳴の相手は、ダークスケルトンだった。
イングヒルトに剣を向けたヤツだけでは無い。
合わせて2体のダークスケルトンが彼らの前を阻んだ。
「守護天使のみんなをここに!」
地球は助けた守護天使を連れて来て、共に戦うことにしたのだ。
真癒巫も武器を手にして、戦いに参戦する。
「よし、全員協力で行こう」
シャンバラ教導団歩兵科の橘 正宗(たちばな・まさむね)が拳銃型の光条兵器を構えて、みんなをバックアップする。
本来ならば勇敢につっこむ正宗だが、今回はリンスレットに会いたいもののために、道を開けようとしていた。
「もちろんや、さあ、行かせてもらうで!」
御神 朱音(みかみ・あかね)が巫女装束で飛び出してくる。
百合園女学院生らしく、肌がキレイな美しい少女である朱音だが、同時に彼女は戦巫女であった。
戦いに慣れた朱音は俊敏な動きで、ダークスケルトンを翻弄する。
双葉 裏十(ふたば・りと)が朱音に合わせて、魔法を展開した。
騎士の朱音を前面に、光条兵器を手にした正宗と、裏十の魔法がバックアップに入り、全員でダークスケルトンを攻撃する。
「ダークスケルトン……だっけか。名前なんざどうでもいいか。前にいるのが敵なら排除するのみ! ってな」
不敵な笑みを浮かべて、正宗がアサルトカービンと光条兵器の拳銃、両方を用意する。
「って訳で、さっさと散れえええええッ!」
機関銃のように弾をばらまき、敵全体を掃射攻撃するスプレーショットを、ダークスケルトン一体に叩きこむ。
ひるむダークスケルトンに裏十が打てる限りの火の玉を打ち込んだ。
そして、朱音が最後に力のすべてを叩きこむ。
「戦巫女の力を……ここに!!」
見た目とは裏腹に、戦いを好む朱音の顔からは笑みがこぼれた。
ダークスケルトンは朱音の攻撃を最後に、地に崩れた。
同じく協力してダークスケルトンに当たったのは、ステラ・スプレイグ(すてら・すぷれいぐ)、天野 諒太(あまの・りょうた)、リツコ・マーカス(りつこ・まーかす)の三人だった。
ステラは階下でスケルトンと戦っている時点から、諒太たちに誘われて、その組に混ざった。
「見た目に合わず、戦いが好きなんじゃのう」
ステラの言葉に、諒太はちょっと戸惑いながら頷く。
「う、うんそうだね」
童顔で可愛らしい外見からどす黒い空気が出ている諒太だったが、百合園生でありながらパンクな髪型をしたステラにはさすがに面喰っていた。
「なーんだろうね。これが類は友を呼ぶってやつかい?」
リツコはどこか面白そうに笑っている。
「と、さて、行こうか、二人とも」
体から巨大なガトリング銃を取り出して、リツコは諒太に渡す。
「だね。僕と一緒に踊ろうか、スプレイグ」
「ダンスか。戦場のダンスなら相手もできそうじゃのう」
ステラが笑って、アサルトカービンを構える。
「銃でのダンスじゃ。どちらかというと、踊るのは向こうになりそうじゃけどな」
「同感」
諒太とステラの笑みが合わさり、同時に銃撃音が古城に鳴り響いた。
2人の放った弾が、めちゃくちゃにダークスケルトンにぶち当たる。
誰もそばにいないのをいいことに、二人は撃ちまくり、もう倒すよりも撃つことに熱中するかのように撃ちまくった。
そして、ダークスケルトンが動かなくなったのに気づき、諒太が可愛い笑顔を浮かべた。
「ほら、綺麗に掃除できたでしょう?」
「本当だな。綺麗に掃除できたじゃねぇか、偉いぜ、チビ」
リツコは諒太を褒めたが、同時にがくんと体を揺らした。
「どうしたの、リツコさん!」
「へへ、なんでも……」
「オレたちがバンバン撃ちこむ間、後ろを守っていてくれたから疲れたんじゃろう。手を貸そうか?」
「ありがとう。でも、それよりも階下で倒れてる女守護天使がいたから、それ助けた方がいいんじゃねーか?」
「そうか、それならそうさせてもらおう」
ステラがうれしそうに笑う。
元々は女守護天使目的だったステラだ。
「今回は関節技も試せたし、おもしろかったのう。さて、後はリンスレットのところに行きたい奴らを守って、城を出るとするか」
最上階に行く人たちを護るため、ステラはまた武器を取った。
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