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【十二の星の華】シャンバラを守護する者 その2

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【十二の星の華】シャンバラを守護する者 その2

リアクション


第9章


 ティセラ達が去った後、動ける者たちで飛ばされてしまったり、怪我をして動けなくなっている者達を一か所に集めた。
 それから、ヒールを掛けられる人がどんどん回復をしていっている。
 ケイ、ソア、ベアについては、無事だったカナタが戻って来ていないのを心配して探しに行ったのだ。
 ついでにサンダー明彦も回収された。
「……大丈夫? ごめんね……私がもっと役に立てば……ホイップも……今度こそと思っていたのに……」
 泣きながらヒールをレンに掛けているのはセルシア・フォートゥナ(せるしあ・ふぉーとぅな)だ。
 セルシアは前回の火事の時、子供2人が目の前で亡くなっている。
 今度こそとホイップの盾になろうとしていたのに、ティセラの剣に触れることなく吹っ飛ばされてしまったのだ。
 その時、一緒にいたウィンディア・サダルファス(うぃんでぃあ・さだるふぁす)がディフェンスシフトを使用して、セルシアを庇っていた。
 だからこそ、軽傷で済み皆の回復が出来ているのだが。
「……ルシアが泣く事じゃない」
 悔しそうに唇をかむと、そこから血が少し滲んだ。
 ウィンディアは軽くセルシアの頭をなでると、自分は動けない人達が他にいないか探しにいったのだった。
 レンの傷は深く、なかなか癒せない。

 操られていた剣の花嫁達も操りは解かれていた。
「ごめんね、ごめんね」
 その中の1人、魅音は謝りながら皆にヒールを掛けて回っていた。
「大丈夫でござるよ〜」
 ちゃっかり椿は膝枕でヒールを掛けてもらっていた。

「沙奈ちゃん! もう大丈夫です!」
 リースは傷ついて倒れていた沙奈を見て、素早くリカバリを掛けた。
 運んできたのはウィンディアのようだ。

「皆さんに伝えておきますね」
 ある良程度、皆が回復したのを見て、グランは口を開いた。
「ホイップちゃんの石化解除には特殊な薬が必要です。そのほとんどはこの鞄の中にありますが、1つだけ足りない物があります。それと台風の封印は3日ほどしか持ちません。今、杖を元の場所に戻しただけでは意味がありません。もう一度封印するなら、ホイップちゃんがやらなければいけない。封印はさせたくないんですが……」
 グランは複雑そうな表情を作る。
「理由を聞いても良いでござるか?」
 椿が先を促す。
「皆さん、ホイップちゃんが金運が悪いのをご存じですよね? あれは、この封印の副作用のようなものなんです。封印する時にランダムで何かの運が悪くなるそうなんです。封印しているものが大きければ大きいほど不幸に……」
 グランはここまで言うと、深く息を吸った。
「……そして、ホイップちゃんの心は……あと2日ほどしか持たない……」
 グランに告げられた事実に辺りはしんと静まりかえってしまった。
 いつの間にか風が強くなってきた。
 その風に乗ってどんよりとした雲も集まって来ているように見える。
 皆が黙っていたその時、実の携帯が鳴り、イルミンスール魔法学校にいる珠樹から『台風対策本部』を作ったと報告が入ったのだった。


続く

担当マスターより

▼担当マスター

えりか

▼マスターコメント

 シナリオにご参加くださり有難うございました。
 今回もまた続きます! 

 次もご参加くださると嬉しいです。
 では、では!

 リアクションの裏話は『蒼い予告編』を検索してみてくださいませ。


2/19
※修正 第2章 虎の名前を修正

※追記
 すみません、言い忘れていました。
 今回、自称ホイップの友人とアクションに書いてくださっていた方、友人設定をしていいかという方がいらっしゃったのですが、ホイップは友人だと思っています。
 何度か話している方も勿論、同様に思っています。
 なので、気にせず友人設定しちゃってくださいませ。