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リアクション
「あ、でもあちきのスリングにロックなんて無いですぅ……ということは」
「おい……まさか、攻撃できるんじゃねえよな……」
勿論、攻撃できます。ニヤリと笑うと彼女は再び攻撃を開始した。
「くそ、貸しだした武器を使ってないなんてイレギュラーだ! しかも狙撃してきている奴がいやがる!」
レティシアの散弾攻撃に混じって、高角度からの攻撃が彼を狙っていた。
「レティのサブマーカーが撃たれたから、援護射撃したけど……必要なかったかな。 まあいいか、このまま校長を的にしよう」
屋上からミスティが涼司を淡々と狙う。狙撃に関して涼司は一方的に攻撃を受けるか避けるしかない。
別の場所から、洋介と孫市も涼司を狙撃する。洋介が索敵、指示し、孫市が狙撃するツーマンセルでの攻撃だ。
「腹筋、西に向かうよだぜ」
「ふふふ、連射がきくっていいわ。ヤタガラスより使いやすいわ」
【エアーガン/パッフェルカスタム】の性能を確かめつつ、孫市が楽しそうに涼司を射撃する。
なお、ヤタガラスとはかつて孫市が使っていた火縄銃の呼称だ。
「逃げるなこっち向けー!」
「キミがこっちを向かないなら実力行使に出るんだよ!」
睦月と秋日子も背後から涼司を、彼の腹筋に付いたフラッグを狙うも、背後からでは当てることが出来ない。むしろ自分たちのフラッグユニットに攻撃を当ててしまいそうなので、ひたすら威嚇射撃をする。秋日子に至っては光条兵器を使用して足元を抉ってくる。
「武器での攻撃は禁止してただろう!」
『していません。武器による直接攻撃を禁止しているだけです』
涼司の叫びに、シズルが放送で答えた。
「千雨さん、今度は俺に銃を貸すしてくれませんか?」
涼司の行く先で待つ大地が『青い鳥』にハンドガンを貸すようにと手を出す。
「いいですよ……前半はあなたを放って暴れましたし」
『青い鳥』は素直に銃を渡した。渡された大地はお礼を言うと、そっと伊達メガネを外し胸元にしまった。
「では……、おら腹筋メガネ! 口を開けろ! 好きなだけぶち込んでやるからよ!」
メガネを外したことで大地の性格が豹変する。前半戦でトラップや『青い鳥』のお膳立てに回っていたので、大分鬱憤が溜まっていたのだろう。《両手利き》で涼司の顔に向かって連射する。自分たちのフラッグがその腹筋に付いていることなんて関係ない。
涼司は大地に背を向けて引き返そうとする。だが、後ろからは二人の追ってが彼の腹を狙っている。
「ナイスめがねにーちゃん!」
「おかげでフラッグが狙えるわ!」
敵のはずの睦月と秋日子が大地を褒める。
「撃て撃て、秋日子、睦月! フラッグどころかソイツの腹筋を部位破壊してやれ!」
「お前ら敵同士だろう! てか、俺に見方はいないのか?!」
さっきの進行方向から垂直に逃げる。一直線に校外へと走ろうと思っていた涼司だが、そう上手くはいかない。そして見方も残念ながら居ない。
「涼司くん!」
上空から加夜が呼ぶ声がする。彼女は【涼司の理解者】だ。
彼女なら見方になってくれるはず――。
「ゴメンね。 ミンナの実力を見たい涼司くんに答えて、私、全力でヤらせて頂きます!」
「俺の理解者なら助けろよ!」
理解者であることが完全に裏目に出た瞬間だった。飛行翼に乗った彼女が空からの攻撃を仕掛けてきた。
「本気か……そうだね。環菜のためにも、山葉先輩に勝てるくらいの本気を見せないとね。行きますよ先輩!」
【大切なロケット】に入った御神楽環菜(みかぐら・かんな) の写真を閉じて、【エアーガン/パッフェルカスタム】を構える陽太。恋人のためにと、先輩であろうと倒す決意を固める。
「お前らの本気はヤバ過ぎるんだよ! えい、今度こそ!」
先手を撃って、涼司が陽太を撃つ。数発はこっちも撃たれるが、豆鉄砲数発くらいは気にしてられない。それよりも他の奴らに混じって陽太が《弾幕援護》してくるのが一番不味い。一人では敵を減らせなくなってしまう。
相打ちという形になり、陽太も豆をくらう。幸いメインマーカーには当たらなかったが、武器に貼っていたサブマーカーには当たった。
「これで陽太は手をだせないな」
陽太はエアーガンを使用している。大会の貸しだしたのもエアーガンだ。スリングのような原始的武器ではないからサブマーカーを撃てば、自動的にロックが掛かるはずだ。
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