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リアクション
泡を洗い流して、更衣室へと戻ったホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん)とメイコ・雷動(めいこ・らいどう)。
美羽や橙歌、火焔たちは温泉にゆっくり浸かってくるというので、ホイップがメイコをカッチン 和子(かっちん・かずこ)主催のパジャマパーティーに誘ったのだ。
「あー……どうしよう。パジャマパーティーなんだよな?」
「うん、そうだよ。どうかした?」
ホイップが首を傾げると、メイコは困ったような顔をする。
「あたしパジャマは持ってきてないんだ。旅館に浴衣があるから――」
「それなら! はい、コレ♪」
「うあっ! ビックリした!!」
メイコの背後には未沙が立っていた。
未沙はメイコに自分が持ってきた水色のシルクで出来たベビードールとドロワーズを手渡し、また温泉へと戻っていった。
2人は着替えると、和子の待つ大部屋へと移動した。
大部屋に入ると、すぐに和子が出迎えてくれた。
部屋の隅ではカクテルを飲んでいるエリザベータがいる。
どうやら護衛のようだ。
「いらっしゃーい! 座って、座って」
部屋の中央へと和子は2人の腕を掴んで誘導する。
畳が見えないほど、布団が敷き詰められており、その上に座る3人。
和子はポテトチップスやカステラ、シュークリームなどのお菓子やペットボトルの飲み物を3人の真ん中に置く。
「2人ともパジャマ可愛い!」
「ありがとう」
和子に褒められ、ホイップは素直にお礼を言った。
ホイップが着ているのは黒地にピンクのリボンをあしらってあるネグリジェだ。
肩を出すタイプで、袖の部分はちょうちんのように膨らんでいる。
「あ、あたしは……やっぱり浴衣に着替えてこようかな」
「ええー!? そのままでいいよ! せっかく可愛いんだもん!」
メイコは恥ずかしそうにうつむいてしまう。
「和子さんのも可愛い〜♪」
「えへへ♪ ありがとう!」
和子が着ているのはゆるスターをはじめとするジャタの森の動物たちが描かれた大きなシャツ。
それ1枚をだぼっと着ている。
裾が膝より少し上くらいまでくるので、ズボンは穿いていない。
「その……こういう女の子しかいない場だし、ちょっと聞いてみたいことがあるんだが……」
メイコはおずおずと口を開く。
「あたしは、ずっと修行ばかりしてきたし男子ともケンカ仲間ぐらいにしかなれなかった。こっちへ来てからも、拳を合わせる事でしか上手く語れず、仲良くなったのも敵同士になったのも尊敬する人も女子がほとんど……ホイップはまわりに男の子がいっぱいいるように見えるけど、ホントのところはどんな恋愛がしたいんだ?」
「男の子がいっぱいいるかどうかはよくわからないけど……私はエルさんと一緒にいられればそれで……」
ホイップは顔を真っ赤にする。
「あっつあつのらっぶらぶだねぇ〜」
和子がにやにやと言うと、ホイップはさらに顔を赤くする。
「ふーん……恋って幸せそうだな。楽しそうだし」
「きっとそればかりじゃないと思う。でも、恋は女性を美しくするって言うよね!」
和子の言葉にメイコはなるほどと頷いた。
「それじゃあ、和子はどうなんだ?」
「あたし? そうだなぁ……大きな船のキャプテンにはあこがれちゃうかも」
「へぇ、どうして?」
ホイップは少しだけ復活すると会話に加わった。
「お父さんが船乗りなの。外洋航海の船長さんやってて……カッコイイんだよ! まあ、1年の半分以上も帰って来ないのは寂しいんだけどね」
「そっかぁ、それは寂しいよね」
ホイップがうんうんと頷きながら言う。
「好きな人と一緒の船でお仕事とか出来たら素敵だなって思うんだけど……って、まずは相手を探さないとなんだけどね!!」
「きっと素敵な人が見つかるよ!!」
ホイップは和子の手をぎゅっと握る。
「ありがとうー!」
「なるほど……。で、どうやって恋ってすればいいんだ?」
メイコは素直に疑問を口にした。
「まずは……出会いがないとだよ。学校行事に参加したり、バイトしたり……色々あるよ!」
和子はメイコに詰め寄って話始める。
「お、おう……」
たじたじになってしまっているメイコ。
「あ、ごめん。私、ルディさんと約束してるからこの辺で……」
「うん! またねー!」
「また一緒に話そうぜ!」
「うん!!」
ホイップは2人に手を振り、エリザベータにも声をかけようとしたが、いつの間にかいなくなっていた。
仕方なく、ホイップはそのまま部屋を後にした。
けっきょく、和子とメイコは明け方近くまでガールズトークを楽しんだとのことだ。
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