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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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リアクション

 ホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん)は途中で出会った呼雪にヘルを紹介され、うきうきした気持ちでエル・ウィンド(える・うぃんど)の部屋の前に来ていた。
(素敵なカップルだったよね。すっごく仲良さそうだったし♪)
 ホイップはよしと気合を入れるとエルの部屋の扉をノックする。
「あ、ちょ、待って!」
「?」
 部屋の中からバタバタと音が聞こえてくる。
 部屋の中ではエルが自分の浴衣のチェックをしたり、髪の毛を整えたりしていた。
「ふぅ……よし! どうぞ」
「お邪魔します」
 ホイップを部屋に招きいれるエル。
「ホイップ……」
 エルはホイップが扉を閉めるより早くホイップを畳に押し倒した。
「エルさん……」
 見つめ合う2人。
 そこを偶然目撃してしまったのはヴァーナーだ。
 扉を閉めていなかったため、中が見えてしまっている。
「ふふ♪ 仲良しさんです」
 ヴァーナーはその様子をカメラに収めようとした――その時、ヴァーナーが予想もしていない事が起きた。
「サンダーブラスト!!」
「ぎゃーーーっ!!!!」
 突然、ホイップがエルにサンダーブラストを放ったのだ。
「ええっ!?」
 思わず叫んでしまうヴァーナー。
 気が付くと、ホイップは立っており、エルを見下ろす形になっている。
「ふふふ……エルさん……他の人に笑顔を見せるなんて許さないゾ☆」
「ええっ!!?? な、なんか……ブラックホイップ!?? って、オオカミの耳が生えてるし!! ボクもだけど……なんかちがーう!! それに今日はまだそんな事してな――あ……」
「今日は……そうだよね? いつも女性に優しいもんね。もちろん、それはエルさんのいいところなんだけど……な〜んか、イラッ☆ っとするときが……うふふ」
 ホイップは笑顔で火術を放つ。
「あんぎゃーーーーっ!!」
 エルの髪の毛がアフロになってしまった。
「……うん、これも仲良しってことですよね」
 ヴァーナーは自分に言い聞かせると、その場をあとにした。


 翌日。
「ご、ごめんね!! エルさん……わ、私そんな事するつもりは……あわわ……」
 正気に戻ったホイップが謝りながらエルの事を膝枕して介抱していたという。
(……ほっとしたような……いい加減前進しても良いような……)
 その様子を黎はやれやれと言った顔をしながら見守っていた。