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夏合宿 どろろん

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夏合宿 どろろん

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    ★    ★    ★
 
 さあ、いよいよ最後のペアになりました。
「最後って、なんでお前しか残っていないんだよ」
「仕方ないでしょ。お互い余り物なんだから」
 瀬乃 和深(せの・かずみ)くんに言われて、瀬乃 月琥(せの・つきこ)さんが言い返しました。
 これだけ参加者がいるのに、なんでくじ引きで兄妹がペアになってしまうのでしょう。
「だいたい、お前は怖がりだから……」
「何を言うのよ! いつ私が怖がったって言うの。何年何月何日何時何分何秒? お化けなんて、全然平気ですよーだ」
 あっかんべーをしながら瀬乃月琥さんが言い返しました。
 とはいえ、森はフクロウの鳴き声がしたり寒い風が吹いていたりして不気味です。
「そこかあ!? そこかあ!?」
 何か潜んでいそうな茂みを見つけると、瀬乃月琥さんが飛び込んでいって格闘の構えで身構えます。
「いや、いちいち突っ込んでいってもなあ」
「何かいたらやっつけるんだから」
 素直に怖がればいいのにと、瀬乃和深くんがちょっと呆れます。
「そこかあ!」
「えっ!?」
 そろそろ撤収しようとアキラ・セイルーンくんのスペアボディを片づけかけていたルシェイメア・フローズンさんが、突然飛び込んでこられて呆気にとらわれました。
「うわああああ、死体ぃ!!」
 スイッチを切られてぐったりとしたアキラ・セイルーンくんのスペアボディを見て、パニックになった瀬乃月琥さんがカタクリズムを荒れ狂わせます。
「ちょ、ちょっと……。なんでじゃ〜」
 ルシェイメア・フローズンさんが吹っ飛ばされていきました。
「落ち着けー!」
「こ、怖くなんかない!」
 あわてて叫ぶ瀬乃和深くんに、瀬乃月琥さんが叫び返しました。こんなことで、無事最後の祠まで辿り着けるのでしょうか。
 幸いなことに、もうほとんどのお化け役の人たちは撤収してくれたようです。だいたい、肝試しと言っても、今回は時間がかかりすぎです。
「よし、ここがゴールの祠だ」
「やったあ。やっぱり怖くなかったよー」
 思いっきり嘘だと思います。
「やれやれ。おや、あ・れ・は・な・ん・だ?」
 ニヤリとしながら、瀬乃和深くんが祠の横を指さしました。そこには、瀬乃和深くんが仕掛けておいた 大虹スーパーアル君人形が不気味な虹色の光を放ちながらふわふわと浮いています。
「いっやあぁぁぁぁぁ!!」
 瀬乃月琥さんのデバステーションが吹き荒れました。祠ごと、人形が吹っ飛びます。
「あああ、祠が……。何が起こっても知らないぞ!?」
 破壊されてしまった祠を見て、瀬乃和深くんがちょっと焦りました。
 この祠は、最初からあったものです。
 なんだか、ごごごご……って、洞窟全体が振動したような気もします。
「さ、さあ、帰ろうか、妹よ……」
「そ、そう、しましょう、兄さん……」
 とりあえずすっとぼけると、瀬乃和深くんと瀬乃月琥さんは全速力で逃げ帰っていきました。