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屍の上の正義

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屍の上の正義

リアクション

「うぉあ!? 何だ今の揺れは!?」
「どうやら味方からの攻撃のようですね……! 先ほどの攻撃が動力部に張り付いていたスポーンを倒したようです! これなら……!」
 先ほど以上に早く操作を開始する十六凪。
「……制御系、取り返しました!」
「よ、よしっ! よくやった!」
『こちらセリスだ。聞こえるか?』
「はい、なんとか」
『制御を取り戻したようだな。お前らの近くに超大型のスポーンがいる、気をつけろ。すまないが、俺たちは後退する』
 パレスの支援を遂行したセリスたちが後退。それを見た十六凪がコンソールの操作に戻る。
「またいつ制御を取られるかわかりません。そうなる前にあちらの超大型スポーンに荷電粒子砲を撃ちましょう」
「だが、この近さで撃てばこちらもただでは済まないんじゃ」
「それが狙いです。相手にダメージを与えつつ、その攻撃の余波を利用してパレスの周りにいる無数のスポーンを力技で取り除くんです」
「……フーハッハッハッハ! スポーンどもよ! 好き勝手やってくれたな! 今度はこちらの番だ! 十六凪、管制機に連絡し、他のイコンと同時攻撃を行うぞ!」
「了解しました。……こちら機動要塞オリュンポス・パレスです。応答を」
『こちらホークアイ。制御を取り戻したようだな』
「僕たちはこれから攻撃を開始します。他のイコン機にも同時攻撃をお願いしたい」
『了解した。少し待て』
 通信が閉じられないまま、和輝が他のイコン機と連絡を取り合う。
『待たせた。他4機のイコンと協力し、3分後に5機同時に荷電粒子砲を超大型スポーンに放つ。近くにいるそちらにはかなりの被害が予想される』
「乗っ取られるよりも何倍もマシだな!」
「とのことです。脱出路も確保してありますので大丈夫です」
『了解した。全てのイコン機には後退するよう通達している。やられた分、存分に撃ち込んでくれ。健闘を祈る』
 和輝からの通信が閉じたの確認すると、十六凪が荷電粒子砲の準備を始める。
「俺も何か手伝うか?」
「ええ、一つ任せたいことがあります。僕が準備完了させ、発射直前になったら、声を高らかにして言ってください。荷電粒子砲、発射! と」
「ああ、任せろ! フハハハハハッ!!」
 いつもの調子に戻ったハデスと十六凪は、着々と準備が進めていくのだった。

 機動要塞オリュンポス・パレス、伊勢、ゴウ、バロウズ、土佐。
 以上5機による、前代未聞の『荷電粒子砲』同時発射。その目標は超大型スポーン。
 その大きさは最早動くだけでも天災クラスであり、その進行ルートには当然のごとく「中継基地」が存在していた。
 超大型スポーンが通った所の大地が小型クレーターのように凹んでいるのがその証拠である。
 2分30秒が経過したところで5機の発射準備が完了、全契約者も既に射線上にはおらず後退済み。
 準備が整った。超大型スポーンは何も知らずに大地を凹ませ進行してくる。
 そして3分丁度。5機から最大威力の『艦載用大型荷電粒子砲』を一斉に発射。
 凄まじいエネルギーの塊が超大型スポーンへ向っていく。そして着弾と同時に。

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッツ!!!!!!

 鼓膜を破るほどの轟音が世界に鳴り響く。
 その衝撃にたまらず吹っ飛ぶオリュンポス・パレス。その周りにいたスポーンたちは跡形もなく消滅した。
 ただパレス事態はスポーンに守られる形になり、大破することはなかった。
 そして絶大な威力を誇った同時攻撃を行われた超大型スポーンも、大きな音を立てて崩れ去る。
 スポーンの塊は軒並み消滅し、そこに残ったのは取り込まれた機動要塞と思われる残骸だけだった。
 契約者たちはその勇気を持って悪鬼の大津波を全ての力を出し切り、押し返すことに成功したのだった。

 その後、イレイザー・スポーンについての調査が始められることになる。
 まずはイレイザー・スポーンの行動について。今回のように突如として現れた場合、
 これ以上犠牲となる街が増えないようにするため、そのスポーンたちの行動を調査すること。
 また今回のような大規模な群れがあったことについて、契約者たちからは「群れを指揮する特異型が存在するでのはないか」という声もあった。
 それも含めてイレイザー・スポーンについて調査することが検討される。
 それと同時に対処法についても、今回【イコン格納庫】が大きく貢献しこともあり、
 他の街にも【イコン格納庫】のような巨大施設をなるべく創設することも視野にいれることで対処する方針で決まった。
 もちろん、今回実践運用を行った【イコン格納庫】のデータについても吟味され、何が足りないのか、何が必要なのかを検討する予定である。
 様々な課題が残ったところはある。しかし「中継基地」を守ることには成功した。
 その事実は作戦に参加していた全ての人の緊張を解きほぐし、その胸を撫で下ろさせるには十分だった。
 こうして「中継基地」は尽力した全ての人たちの活躍により、無事に守られたのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

流月和人

▼マスターコメント

お疲れ様です。流月です。
皆さんの尽力(アクション)のおかげで無事に「中継基地」を守ることができました。
まさかこんなにも多くの方が来るとは、スポーンたちも思っていなかったでしょう。
超大型スポーンも荷電粒子砲が5つも飛んでくるとは思わなかったでしょう。
よくぞ悪鬼の津波を押し返しました。「中継基地」に住む人々共々、私からもお礼の言葉を。
ありがとうございます。
ですがニルヴァーナにはまだまだ多くの危険が存在しているはずです。
そしてその危険が迫った時、また皆さんの力を貸してください。
それでは。

▼マスター個別コメント