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リアクション
タオルなんて飾りです。
そんな邪魔者、二人の間に必要ありません。
そう主張せんばかりに、クリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)と神月 摩耶(こうづき・まや)はその見事な裸身をさらけ出し、温泉を楽しんでいた。
場所はもちろん、湯けむり温泉。
「摩耶……」
早速、とばかりにクリームヒルトは摩耶の腰に手を回す。
ふと、留守番させているパートナーたちのことが頭に浮かぶ。
戻ったらきっと……
嫉妬や怒り、そんな感情をぶつけられることになるかもしれない。
でも、そんなことより今このチャンスを逃すべからず!
引かれる後ろ髪を振り切り、回した手に力を込める。
後ろから抱きしめる形で、手を回す。
クリームヒルトの豊満な胸が摩耶との密着を邪魔するが、それもひとつの興奮材料とばかりにぐにゃりと形が変わるほどに押し付ける。
その隙間にたらりとボディソープを垂らすと、動き始める。
「はぁ……んっ、気持ちいい……」
温泉に負けないほどのぬるぬる具合に、思わず摩耶の口から吐息が漏れる。
「まだまだよ……もっと、摩耶のこと気持ちよくしてあげる……」
「んふ……駄目だよぉ……」
そんなクリームヒルトに、摩耶が向き直る。
「摩耶……?」
「ボクも、クリムちゃんのこと気持ちよくさせてあげたい……」
摩耶の手がクリームヒルトの体に伸びる。
次第に、湯けむりで隠された際どい箇所へと。
「はぁ、摩耶ぁ……」
「あんっ、クリムちゃん……っ」
喘ぎながら二人の唇が近づく。
熱い、ねっとりとした口付け。
やがて唇はうなじに、腹に。
更には湯けむりで隠された箇所へと進んでいく。
「摩耶……いいお湯ねぇ」
「んんんっ、ほんと、いい温泉だね……」
湯に浸かってもいないのですが。
そんな二人の姿は、次第に濃くたちこめる湯けむりで全く見えなくなっていき……
やがて、湯けむりの中から二人の姿が見えるようになってきた。
頬を上気させ荒い息のままの摩耶は、クリームヒルトの手を取った。
「行きましょ、お部屋へ……」
「もう……?」
「続きは、お部屋で……一晩中、ね」
「……んふふぅ、そうね、寝かさないわよ」
摩耶とクリームヒルトは二人の部屋へと……
◇◇◇
温泉と温泉を隔てる壁の向こうから、押し殺したような睦み声が聞こえる。
「誰も入ってなさそうな時間を狙って来たんだが、まだ入っている人はいるのだな……」
レグルス・レオンハート(れぐるす・れおんはーと)は一人ごちるが、まあ他人は他人。
一人、赤い湯に身を沈める。
(ふう…… なんだか、妙にぬるぬるした湯だな……んっ?)
レグルスはふと違和感を感じる。
湯って、こんなにも絡みついてくるものだっただろうか。
(ん……っ、な、なんだ、これは……っ)
これは温泉というにはあまりにも刺激的すぎる。
全身を愛撫するかのような、甘い刺激。
その刺激は、次第により感覚の鋭い箇所へと集まって行く。
(んんんっ……あっ、なん、だ……っ)
「うあ……っ、あぁあっ」
いつの間にか、押し殺していた筈の声が漏れ出ていた。
体も、湯の愛撫に合わせて次第に自然のままに動き出していた。
羞恥。理性。
そんなお堅い感覚をも捨て去り、全てを忘れ委ねられるような快楽。
レグルスは、今将にそれに溺れようとしていた。
「うぁ、ぁああ……っ」
いつまでも、いつまでも溺れ続ける。
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