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リアクション
笹奈 紅鵡(ささな・こうむ)は酒を片手にゆっくりと温泉を楽しんでいた。
「はぁ…… お酒に温泉、最高だね」
あまりにもいい気持ちすぎて酒が零れ、温泉の中に入っていることに気付かない。
「ホントに赤い湯だな。何が混ざっているんだろう。まるで体に絡みつくような……」
夜薙 綾香(やなぎ・あやか)もまた温泉に浸かりながら、一人その感覚を堪能していた。
(ぬるぬるして、全身を撫でまわされているみたいで、特に敏感な所は……あぅっ)
「……って、ナニかいるだろ絶対にっ!」
さすがにあまりにもピンポイント的な感覚に、何か変だと気付いたらしい。
「怒らないから出ておいで……っと」
だぽり。
綾香の言葉に反応したのか、赤い温泉からまるで赤い色素だけ集めたかのように赤い少女が浮かび上がってきた。
「ういっく」
「やっと出た……って、あれ?」
「らひるど、れす〜……」
「あれれ?」
もとから赤いから、すぐには気づかなかった。
少女は、ラフィルドは、酔っぱらっていた。
「なるほど、人を気持ちよく、なぁ」
なんとかラフィルドから話を聞き出した綾香は腕組みする。
「らめぇ、なの?」
「駄目というか……人は常に同じ手段で気持ちよくなるとは限らない。相手の反応を見てベストを探る必要が……」
綾香の言葉が急に途切れた。
温泉が、ラフィルドの体が綾香にまとわりついてきたから。
「こお?」
「私で試すなぁ! あ、ひゃうっ! ん、くぅ……こ、こっちだって!」
ラフィルドの刺激に対抗するかのように、綾香はラフィルドに手を伸ばす。
「ほぅら……こんなのはどうだぁ?」
「……あ、ぁあ……ん……っ」
ラフィルドの体がぷるりと震えた。
小さな小さな声が漏れる。
「おぉ、押したお……じゃない、体を洗ってるのかい? ボクも手伝ってあげるよ」
怪しげな雰囲気を敏感に察知し、紅鵡が合流する。
彼女もまた、湯けむり温泉のぬるぬるによって体が火照り、どこかに良い相手はいないか探していたのだ。
「ほら、遠慮しないで……丹念に洗ってあげるよ。こことか……こことか」
「あぅ……っあ、ん……ぅ」
「ま、負けないのだよ。ほら、ほら……あぁっ、んく……っ」
「……ゃあ、ぁああっ……」
綾香と紅鵡の双方からの攻めに、ラフィルドは次第に、まるで苦痛であるかのように快楽に体を委ねていく。
やがて。
「ぁ、あぁああっ!」
びくびくと、と気持ちよくなった事を体の反応で示す。
「やった」
「勝ったわ――」
綾香と紅鵡が勝利者になったのも束の間。
「あれ」
「おや」
湯けむり温泉の湯が、痙攣を始めた。
そう、この温泉そのものが、ラフィルド。
ラフィルドが痙攣すると、温泉もまた同様で――
「あ、ひゃうっ!」
「ん、ふぁあっ!」
温泉に浸かっていた2人は、ラフィルドが起こした激しい湯の痙攣に完全に意識を飛ばされてしまった。
ぬるぬる、終了――!
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