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【祓魔師】イルミンスールの祭典

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【祓魔師】イルミンスールの祭典

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第24章 アナザーワールド20年後の世界 Story2

 祓魔師たちは魔法学校の校舎に戻り、この世界で何が起きているのか校内の者たちに聞いてまわる。
 未来の世界にも祓魔師が存在するらしいが、自分たちが手にしているものより劣化したものだった。
 それもそのはず作り手であるエリザベートは赤ん坊、もう1人は行方不明。
 しかも、魔性と人が共存する都へ辿り着く術を持たない者たちばかりだ。
 それどころか自分たちが本当に関係者なのか怪しまれ、いくつか尋問を受けることとなってしまう。
 今何年か聞いただけでも笑われ、相手が答えた年号に一同は驚いた。
 なんと、20年後の世界に飛ばされてしまったらしい。
 オメガが抱えている赤ん坊のエリザベートによれば、能力を度々封じてきた結果その程度で済んだようだ、
 祓魔師の免許を見せろと要求され見てやると、今度は相手が驚き床に尻餅をついた。
「はっ!?なんだこの古い型の免許は!!」
「そう古くはないはないはずだよ」
「ええっと名前は…涼介・フォレスト……様!?え、あ…失礼しました!」
「ど、どうしたのかな?」
 急に相手が改まったことに目を丸くする。
「いやぁ〜、こんなにお若く見えるなんて。とても40過ぎには見えませんね」
「私はまだそんな年では…」
「お父様、この世界は20年後ですから」
「そうだったね、ミリィ。…今、この世界に時の魔性がいると思うのだけど、居所はわかるかな」
「はい?あなたはそれを探して遠征中だったのでは。っと…そもそもなぜここへお戻りに?」
「あぁいや、何か情報が入っていなかと思ってね」
 未来ではどいう立場の人間かすら分からず、どこで何を行っているかもまったく知るよしもない。
 相手の話しに合わせて何とか未来の情報を得ようとする。
「確か…クリスタロスのほうで何やら騒ぎがあるようで…。そこへ調査に向われていたのでは」
「うん?…そうだったね」
 ひとまずそこへ行けば、サリエルの居所がわかるだろうかと考える。
「どんな些細なことでもいい。知っていることがあれば教えてくれ」
 できるだけ情報収集をしておくべきかと、ダリルも魔法学校の祓魔師に免許を見せた。
「こりゃまた古い型の免許を…。えーっと…?ダリル・ガ…あの鬼の白夜叉!?」
「今…何と言った?」
「よせ、怖がっているじゃねぇか」
 別の場所へ転送されていたカルキノスは、皆がここへ集まっているだろうと思い学校中を探していた。
「そうだぞ。白夜叉はじ…いやなんでもない」
 ダリルから静かに怒りを感じた淵は口を閉ざした。
「ということは、そっちの人は七枷さん?」
「オ、オレ分かるんか?」
「えぇ、いつも笑わせてもらってますよ」
「笑うって何を…」
「ヴァイシャリー駅のステージでお笑い会のピン芸人のトップじゃないですか!」
「はぁあ!?オレの未来…なんでそんな…っ」
 完全回避したはずのフラグが“ただいま!”と帰ってきた気分になりそうだった。
「捻じ曲がった未来だからそうなんじゃ?にゃははは♪」
「ちくしょう、あいつ…。勝手にジョブチェンジさせるなんて、絶対許してやらん!」
「ボクは芸人じゃないみたいだね?よかった、夫婦漫才の芸人なんて言われたらどうしようかと思った」
「誰かと思えばリーズじゃないの。皆、ここにいたのね」
 グラルダとシィシャは仲間の手伝いをしようと今まで散々探し歩いていた。
「ボコールに邪魔されたりしていけなかったけど。姿が変わらないということは成功したのね?」
「うん…どこまでか分からないけどね」
「ねぇねぇ、わたくしはどう呼ばれているのかしら?」
「まよまよはいつも小さいと…いえ、なんでもないよ」
「え…」
 “小さい”という言葉に反応し、思わず両手で胸を隠す。
「20年たっても上のほうは成長しないってことですね、真宵」
「テスタメント様、いつもためになるお話を聞かせてくれてありがとうざいます!今日はだいぶお早い帰りですね」
「ふっ、いつでも聞かせてあげるのですよ」
 偉そうに胸をはってみせたテスタメントは尊敬の眼差しで崇められる。
「ちょ、ちょっと。テスタメントと向こうには様で、わたくしは変なあだななの?しかもタメ口だったわよね」
「いやだなぁ、いつもそうじゃないかーまよまよ」
「や、やめてちょうだい!そんな呼び方っ」
 見知らぬ相手に馴れ馴れしくされただけでなく、後輩にあたる人間にタメ口され心底不快そうに怒鳴り散らす。
「私はどう見られているのかしら?…あら、ちょっと!?」
 カティヤの姿を直視するなり、彼は全力で逃走してしまった。
 その直後、すれ違う者たちに“うわ、目を合わせるな”“また恐ろしいものを食べさせられる…”“キレイなのに、料理の腕だけは残念だ”とぶつぶつ聞こえてきた。
「な、何のよ!言いたいことがあるならはっきり言いなさいよっ」
「―…カティヤ、未来の後輩たちに髄分酷いことをしているようだな」
「もはや通常営業だろ。哀れだな」
「磁楠、羽純まで!酷いわ、私が何をしたっていうの…」
 未来の後輩たちに避けられしくしくと涙を流した。



「未来のルカたちって、存在するのかしら?」
 ひょっとして未来の自分に会ったりするのかとルカルカが言う。
「このせかいにきたことで、いまはそんざいしないでちゅ。ここにいるじぶんたちそのものが、みらいのじぶんとしてはんえいされていましゅ」
「年はそのままで能力が成長してたりってこと?」
「いいえー、とばされるまえのままでしゅ。らすこっとてんてーのかわりに、できるだけわたしがしってるかれらのことは、おしえまちゅ。ただし、とばされるまえのちしきしかありまちぇんけどね」
「そういえば見かけないわね」
 どこかでタバコ休憩してもしているのだろうかと、真宵は校舎の窓から外を見る。
「しょれがぁ、さりえるにとばされあとは、いなくなってたでしゅ」
「何よそれ…どういうことよ!」
「ま、真宵。そんなに先生のことが心配なのですね…。時のいたずらに引き裂かれる2人…、なんと哀れなっ」
 これもラブなのだろうか、と激しく勘違いをしたテスタメントはポロポロと涙を流した。
「わたしのけいたいから、がっこうのでーたをみたのでしゅけど。ゆくえふめいで、みらいのりょーすけさんたちがそうさくちゅうだと…」
「(相手もこっちの手段を削ぎにかかってきたということかしら?)」
「(あぁ、真宵。そんなにも先生のことが好きすぎてくやしいのですね!真宵の恋のためにも、テスタメント頑張るのですよ!!)」
 怒ったような顔をする彼女の姿に、テスタメントもサリエルの居所を掴むため協力しようと誓った。
「未来の彼が調査していた場所へ行ってみるしかないね」
 20年後の涼介がいたというクリスタロスへ行くしかないとクリストファーが言う。
「オイラは、美味しいお菓子を消したあいつを許せないにゃ!」
「どういうことだいクマラくん」
「見てよこれ。携帯で未来のお菓子を検索したら在庫がないんだよ」
「この土地の荒れようでは、それどころではなさそうだと思う…」
「さすがに食事はしないと生きていけないからな。俺のほうは食材について検索してみたけど、人が食べていくだけで手一杯のようだ」
 一輝は調べた結果をクリストファーに見せた。
 物価がかなり高騰しているらしく、手に入りにくいものばかりだった。
「多少は何か口にしないと…」
「オヤブン、買いつけするの?」
「簡単なインスタント類くらいはな。俺たちの時代のものが倉庫にあっても、おそらく賞味期限切れだ」
 それでも費用がキツそうだったが、食事を口にしないままずっと遠征しっぱなしは、活動するためのモチベーションが下がってしまう。
 魔法学校の倉庫へ備蓄の手配を済ませる。
「ひとまず届くまで各自休憩としないか?」
「魔道具による疲労がかなり酷いからな、仮眠くらいはしたほうがいいだろう。では…個人で勝手に出発を決めないように、以上だ」
 一輝の提案に和輝が頷き、休息と取らないまま出発しては、かえって相手の餌食になりにいくようなものだ。
 アニスとリオンには和室でしっかり睡眠を取るように言い、和輝は正門付近のベンチに座り、誰か無断外出しないよう見張る。
 何かあるといけないからと心配した終夏は、スーに花のクッションを作ってもらい、彼の傍で待機する。
 ほうっておけばパラミタの地は荒廃しきり、水や食べ物をめぐって争いも起こるだろう。
 “皆、穢れてしまえばいい”
 その言葉通り、醜い争いの世となってしまう。
 サリエルが蒔く火種を刈り取り、まだ姿を見せない炙霧の暴走を止めるべく、祓魔師たちはしばし休息をとった。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

大変長々とお待たせして申し訳ありません。
次回の舞台は20年後のアナザーワールドの未来、クリスタロスになります。

LCもしくはMCと連絡だけの描写希望の場合、自宅等で待機しているPCは20年後の年齢となっています。
本編にふれることがある途中参加のPCに限り、アクションデータ通りの年齢とします。

【封魔術で封印に成功した魔術】
老化、若年化による魔道具を扱う能力の半減。



【魔道具の強化などについて】
★追記した分等は、自分のシナリオのみとなっています。

★こんなのがあったら面白いかも?と思ったことがありましたら、アクションにお書きいただければ幸いです。
そうだ、皆さんと勝手に楽しくしよう!という感じです。
アクションでいただいたもの全て…というわけにはいかないため、一部のみとなりますので予めご了承ください。
リアクションでいきなり発表はできないので、採用となった案は公開後のマスターコメント上となります。
その際、パワーバランスの関係のため、こちらで調整を行います。

★テスカトリポカを扱う条件等は、次回のシナリオガイドのマスターコメントにて発表します。
現在決まっていることは、クリエイターのランクからになります。


■※召喚強化
「術者」以下のランクの称号を持つ者のみ。
    エクソシスト:クリエイター・ランク5以上

シナリオ内で召喚可能な武装の使い魔を含め、2体まで召喚可能となる。
服装に装備しているクローリス、ポレヴィーク、ニクシーの内いずれか1体のみを対象。
ただし、ニュンフェグラールで呼び出せる使い魔を、召喚者自身が装備してないと呼び出せない。


■※支援
「魔道具」ニュンフェグラール、エレメントチャージャー
「術者」エクソシスト:クリエイター・ランク5以上の術者1人

対象は術者以外の仲間2人。
「エアリエル」
大気の魔法で、術者と近くにいる味方全体の集中力を一定時間上昇させる。
物理攻撃を含まない魔法攻撃に該当する攻撃の命中率を上げる。


■トランスフォーメーション
「魔道具」エターナルソウルLvI(エレメンタルケイジは不要)
「術者」以下のランクのうち、いずれか1人
    エクソシスト:ビショップ・ランク5以上
    エクソシスト:メイジ・ランク5以上
    エクソシスト:ブリーダー・ランク5以上

術者自身のみ適応。
シナリオに参加している自分のパートナーのみを1人選択。
そのパートナーに容姿・身長・年齢・性別・声までそっくりに20分間だけ変化することが出来るが、仕草・性格・ステータスなどまでは適応されない。
変化時は自分の装備・スキルに加え、コピーしたパートナーの装備(魔道具は自分専用で使うものとして)・スキルを使用することが出来る。
武器レベルは任意で変化前の自分か、変化後のパートナーの能力か決める。
魔道具などで、パートナーが修練を積んだ能力などは変化しても扱うことは出来ず、両手で使う武器などを複数同時に使用することは出来ない。
パートナーが使役したことがある同じ容姿・性格などの使い魔・小悪魔は呼び出せない。
変化の効果は重ねがけの持続は出来ず、この効果に該当するコピーしたものは全て消え、元の姿に戻る。


■ルーン・ワード
「魔道具」エレメンタルケイジ、エターナルソウルLvI
     ハイリヒ・バイベル、贖罪の章I
「術者」エクソシスト:アーチビショップ・ランク5以上の術者1人
    エクソシスト:アークメイジ・ランク5以上の術者1人

効果による対象は1人。
魔道具の効果発動を半分に短縮し、必要な詠唱ワードを略式可能にさせる。


■※探知強化
「魔道具」エレメンタルケイジ、アークソウルLvI
     ニュンフェグラール、ポレヴィーク(強化問わず)
「術者」エクソシスト:パトリアーク・ランク3以上の術者2人
    エクソシスト:クリエイター・ランク3以上の術者1人

効果は宝石を扱える者のアークソウルの探知範囲内。
アークソウルを扱う術者が増えるごとに、その距離がプラスされる。
大地の魔力を得たポレヴィークが伸ばし、蔦の領域に入った対象の位置を知ることが出来る。
▼追加効果
蔦に祓魔の護符を仕掛けることで、その所持者の意思で起爆することも可能。
(扱う者は無称号でも問題なく、起爆範囲は使用者の能力範囲のみ)


■※捕縛効果
「魔道具」エレメンタルケイジ、ホーリーソウルLvI、結界石:神籬(ひもろぎ)
     ハイリヒ・バイベル、哀切の章II、悔悟の章I
     ニュンフェグラール、エレメントチャージャー
「術者」エクソシスト:カーディナル・ランク5以上の術者1人
    エクソシスト:エグゼクター・ランク5以上の術者1人
    エクソシスト:サモナー・ランク5以上の術者2人

召喚者がクオリアを呼び出し、スペルブック使いの章に重力術の効力を与える。
対象の周りに四方形の魔方陣を形成し、一定時間拘束することがある。
上級以上の魔性相手の場合、術者が多いほど拘束の成功率が高くなる。



次回、シナリオで会える日を楽しみにお待ちしております。