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ロウソク一本頂戴な!

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ロウソク一本頂戴な!
ロウソク一本頂戴な! ロウソク一本頂戴な!

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■ エピローグ ■



 孤児院、屋根の上。
 子供達が寝静まった頃、破名はいつもの様にキリハを伴い、建物の屋根に移動していた。
 移動して特に何をすることもなく二人、座る。
「ずいぶん集まったな」
「皆さん張り切ったって言ってましたからね」
 子供達が持参したカバンはパンパンに膨れているし、お土産と渡されバスに積んだままのお菓子もある。冷蔵が必要なものは冷蔵庫に無理矢理詰め込んだ。
「保管方法を考えないといけませんね」
「明日、イルミンスールに行くから相談してみるか」
「ところで、クロフォード。七夕は短冊に願いを書いて笹に飾るそうですが、星に祈るお願い事はありますか?」
 食に興味を持たない破名に、代わりにとキリハは話題を振った。
「願い事があるように見えるか?」
「……聞いた私が馬鹿でした。子供達が健やかに育ちますようにとか無いのですね」
「それは俺達が実現させることで願う事ではないだろ。そういうキリハは?」
「私、ですか? そうですね、兄様に会いたいとか、ですかね」
 キリハには現存しない双子の兄が居た。魔導書はその兄に会えれば良いと言う。
「聞いた俺が悪かった」
「どういう意味です?」
「本当に兄一筋だなと思っただけだ。髪を切ればいいだろう? 同じ顔なんだから」
「兄様の顔だからいいんですよ。男女の違いがある時点で、私が髪を切ってもそれは紛い物です。あと、少し傷つきました」
「それは悪かった」
「クロフォード」
「なんだ」
「夜の空は変わらないですね」
 月の星も変わらない。
「今にも兄様に名前を呼ばれそうな気がします」
「……そうだな」
 年に一度の逢瀬。
 それが叶うというのなら、
 願わずにはいられないだろう。

担当マスターより

▼担当マスター

保坂紫子

▼マスターコメント

 皆様初めまして、またおひさしぶりです。保坂紫子です。
 今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。皆様の素敵なアクションに、少しでもお返しできていれば幸いです。
 参考にしたのは「ローソクもらい」という行事でした。ピンと来た方が何人かいらっしゃったようで。ただ、保坂の生まれ育った地方には無かったので、結構緊張しながら書かせて頂いていおります。

 また、推敲を重ねておりますが、誤字脱字等がございましたらどうかご容赦願います。
 では、ご縁がございましたらまた会いましょう。