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ハロー、ゴリラ!(第1回/全1回)

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ハロー、ゴリラ!(第1回/全1回)

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Opening...


 それはよく晴れた日のこと。
 殴り込みにいくなら曇天模様、雷鳴轟く空と相場が決まってるが……まぁ時にはこんな日も良いだろう。
 どうせ数時間ののちには、血の雨がしゃばしゃば降ることになるんだから。
 さて、そんな空の下……シボラの密林に集まった神守杉 アゲハ(かみもりすぎ・あげは)は……。
 と、その前にヴァイシャリーのコンビニに残った彼である。
 のぞき部パシリ葉月 ショウ(はづき・しょう)は悪態を吐きながら立ち読みをしていた。
「……アゲハのヤツ。のぞき部じゃパシリだけどよ、なんでのぞき部以外のヤツにパシられなきゃなんねーんだよ」
 どうやらアゲハにパシられたようである。
「クソ、次会ったら頭のパーツ全部吹っ飛ばして部位破壊報酬狙ってやるぜ」
 とか言いつつ、大人気漫画雑誌『週刊少年シャンバラ』をめくる。
 パシられたが大人しくパシる気はない。プライドってもんがある。それに頼まれたもの忘れちまったし。
「大体、俺はのぞき部だぜ。アゲハはどっちかと言ったら、のぞかれる側じゃねぇかよー」
 とその時、ふと棚に並ぶ成人向け雑誌『快楽典』に目がいった。ゴクリと喉が鳴る。
 のぞき部として、ひとりの男子として、エロ本に興味を持ってしまうのは仕方のないこと。
 きょろきょろと辺りを見回し人の目を気にする……とその時、壁の時計が目に入った。
「や……やっべぇ!」
 アゲハはともかく、空大の【メジャー・ジョーンズ教授】の調査団に参加しているショウ。
 シャンバラに……あとエロ本に気をとられてる間にすっかり出発時間をブッちぎってしまっていた。
 慌ててコンビニを飛び出す……がすぐに引き返し、快楽典を少年シャンバラと週刊ゴリラで挟んでレジへ。
 2021年、葉月ショウ、22歳。夏がほのかに薫る季節の一幕だった。
「よーし、待ってろよ! シボラ!」
 蒼空に飛び立つ飛空艇ヘリファルテ。
 風を切り、次第に小さく点になる影、未開のジャングルを舞台に、今冒険が始まる……っ!!