リアクション
個性的で楽しい出し物・2
ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)の出展した、
ハーブカフェ『煤沙里(ヴァイシャリー)』。
ハーブスイーツとハーブティーの店である。
カモミールやレモングラス、シナモン、ミントなどを使った、
クッキーや、ケーキ、フレーバーティーなどは、
ネージュの調理の特技を生かし、
百合園生らしい空間を演出していた。
「お持ち帰り用の焼き菓子の試食もたくさん用意しているから、お気軽にどうぞ……。
あれ、なんだか、だんだん減っているような?」
ネージュが振り向くと、
白髪ショートの10歳くらいの女の子が、
クッキーを食べていた。
ジャタの森の精 じゃたであった。
「冬眠前にたくさん食べたいじゃた」
じゃたは、試食用のクッキーを残らず食べてしまった。
「ちょ、じゃた!?
今回はオーバーキル展開なしで、
ソフトに行こうとしてるのに、何してるの!?」
「最近出番が少ないので、食べ物もらえる機会が減ってるじゃた」
「噛みあってない! 会話が噛みあってないよ!」
「がるるるるるるるじゃた」
しかし、もはや、無駄であった。
じゃたは、契約者との接触が減ったために、穀物と砂糖類の摂取が一時的に減り、
禁断症状を発症していたのである。
ネージュの用意したクッキーは、まさに、その起爆剤であった。
「がるるるるるるるるるるるるるるじゃた!!」
じゃたは空中で回転しながら噛みつく必殺技、「じゃたファング」を発動し、
お菓子の匂いが染みついたネージュに突撃したのである。
「うぎゃあああああああああああああああああああ、
森水マスター常連にとって、お星様になるのは、むしろご褒美なんだよー!!」
ぶっ飛ばされたネージュは、お星様になった。
「がるるるるるるるじゃた」
「きゃー」
「わー」
その後、冬眠前の熊のように大量に食べ物を求め、暴走し、
食べ物の屋台に被害を拡大していった。
★☆★
その後、ネージュは、
佐藤 花子(さとう・はなこ)の、
ラズィーヤ様写真集の展示へと落下していった。
「ごふう!」
「ぎにゃっ!?」
ネージュが頭に激突した花子は。
「わー、ラズィーヤおねえさまがいっぱい……うふふふふ……」
錯乱して気絶した。