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リアクション
序
「と、いうわけだ。エレーナ嬢の感情を呼び覚ますことが出来そうなことがあれば、ぜひやってみてほしい。エレーナ嬢は、今回の催しを邸宅のバラ園にてガーデン・パーティ形式で行うそうだ。参加希望者は期日までに申し込みを行うように」
山葉 涼司(やまは・りょうじ)からのミッションが学園全体に発せられた。
我こそはと思うもの、親切心から参加を決めたもの、そして、不穏な動機を含むもの……各々の思いを秘めて、生徒たちは参加申請を行っていった。発表の順位は申し込み後、特に指定がなかったものは適宜、指定があったものはメンバーのすり合わせによって決められた。
そして当日。高く澄み切った秋空の下、バラが見事に咲き誇る庭園に次々と参加者たちが揃っていく。立食形式のティーパーティで、白い円卓がいくつも設置され、あちこちに適宜椅子も置かれている。ピンクの香り高い蔓バラのアーチ前には、簡易なステージも用意されている。ステージそばの席には、チャコールグレイのスーツ姿の山葉と、苔色のドレスに身を包んだエレーナが並んで立ち、そのわきを護衛が固める。
テーブル上には何種類かの焼き菓子が盛られたアイアンスタンド、ティーポット、コーヒーポットが所狭しと並べられていた。
こういった行事につきものの、お偉方による仰々しい挨拶の言葉が並べられたのち、ようやくイベントは始まった。各々茶菓子や飲み物を手に、ステージ周辺に漂うように集う人々。
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