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水着デートは刺激的?

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「ふ……」
 弥涼 総司(いすず・そうじ)はアンニュイな気分を醸し出しながらビーチチェアに座っていた。せっかく買ったばかりの紺色のハーフパンツの水着もむなしく一度もプールに入っていない。
 総司の視線の先には流れるプールがあり、カップルや友人同士で楽しそうに遊んでいた。それを見て、総司の瞳から生気がなくなってくる。
「……ふ……ふふ……」
 外から眺めているだけではわからないウナギハプニングに余計らぶらぶしてるカップルもいる。それを目撃してしまった総司は、どこか遠くを見る目になった。
「……そういえばシャンバラが東西に分かれてから会ってなかったっけな……はは……」
 乾いた笑いはプールの水音に飲みこまれ、誰の耳にも入らない。そんな総司に近づく人影が2つあった。
「あら? のぞき魔さんじゃない?」
 ほぼ紐の、黒いビキニを着ている紫水 蝶子(しすい・ちょうこ)はバニラアイスが載ったフラッペを食べながら歩いていた。総司の様子に少し驚いたためか、口に運ぼうとしていたアイスがスプーンから落ちて胸の上に落ちる。アイスはすぐに溶けて胸の谷間を伝って行った。
 紫色のハーフパンツの水着を穿いた紫水 青太(しすい・せいた)は蝶子とは違うところに驚いたようだ。
「えっ!? のぞき!?」
 そんな2人を一瞥して、また視線をプールへと戻す。
「今日は元気がないのねぇ。この間ののぞき……ぞくぞくしたのに」
「蝶子お姉ちゃん!? のぞきなんてされてたの!?」
 青太は蝶子を総司からかばうように立ち、総司をにらむ。
「邪魔よ、青太」
「ええっ!?」
 しかし、蝶子は腕を突っぱねて青太をどかすと総司の元へと歩み寄った。
 蝶子は総司の座っているビーチチェアに横向きで腰掛け、総司の顎を右手で持ち上げる。
「あたしを楽しませてくれないの?」
 そう蝶子は小首を傾げながら言う。
「ふ……ふふふふ……ふふっ、しょーがねーなーやっぱりオメー等、オレ様にのぞかれたかったんだな!」
 総司からは先ほどまでの物憂げな雰囲気が消え、目には力強い光が戻っていた。
「感謝するっ!」
「いっやーん!」
 そして総司は蝶子のトップスを瞬時にとって、流れるプールへと飛び込んでいった。
 流れるプールの中ではうなぎが数匹固まって待ち受けているとも知らずに……。