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パニック! 雪人形祭り

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パニック! 雪人形祭り

リアクション

「どうです、この無駄のない曲線! あの無骨な形状からよくぞここまで生まれ変わりましたよ!」
「美しいですわ……これこそ平和の象徴。やはり、悲しい暴力が去った後に、残るのは平和と雪だるまなのですね……」
「その通りでござる!」
 クロセル、美央、スノーマンは、身長15メートル強の巨大雪だるまを前に、感激しきりの様子で立ちつくしていた。
 騒動が終息し、平和を取り戻した街の中では祭りの最終夜のライトアップが行われ、展示場のことはすっかり忘れ去られていた。そこで、事の顛末を「やはり雪には温かなドラマが秘められているものなのだ」という大らかな感慨で締めくくった【雪だるま王国】の人々は、誰からの邪魔を受けることもなく、今まで戦いを繰り広げた相手である雪像を雪だるまに作り替えていた。
「……しっかし、でっかいな……」
 雪のスキルの保持者たちによってふくよかな体型に生まれ変わった元雪像を見上げたウルフィオナが、さすがの大きさに思わず呟きを漏らす。
「そうですわね……無事完成して、よかったですわ……」
 その隣でレイナが、ごく冷静に呟いた。
 すでに薄暮を通り越して夜を迎えた展示場で、雪だるまを愛する人々は、心行くまで楽しんだのだった。



 街の至る所に、辛うじて残った雪人形たち。騒動の中で、半分以上崩れかけてしまったものもある。子供たちの何人かが、惜しむようにそれを再び小さな手で抱えて小さな雪だるまを作ったりして、その胸の辺りにランタンを置いた。
 怪現象から解放された街の住民たちの心を癒すようなオレンジ色の小さなともし火の群れは、向こう側へ至る道を見失いかけた親子がもう二度と迷うことのないよう、その行く手を照らす街路灯のようだった。
「どうか、ナーリルがお父さんと一緒に向こう側で幸せになりますように」
 テスは、ランタンを小さな雪人形に持たせて、祈った。
 子供たちも、そして街の人々も、そして今回の事件を解決したメンバーそれぞれも……今年の祭りのともし火に、彼らの冥福を祈った。

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 参加してくださいました皆様、本当に有難うございました。マスターのYAMです。
 最後まで読んでいただき、有難うございます。
 予定していたより文章が長くなってしまいました……申し訳ありません。

 VS雪像の皆様の戦略が、こちらが考えていたよりずっとバラエティに富んでいたことに驚いてしまい、なるべく皆様のアクションを採用したいと思って悪戦苦闘した結果、このような感じになりました。意図していたものと違う、と思われた方がいらっしゃいましたら、まことに申し訳ありません……(土下座)

 私の初めてのシナリオにお付き合いいただいたことを、心から感謝いたします。
 拙いものではありますが、皆様方に称号を送りいたします。ご笑納いただければ幸いです。
 この経験を次に生かし、よりよいシナリオを皆様にお届けできるよう、精進いたします。