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闇世界の廃校舎(第3回/全3回)

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闇世界の廃校舎(第3回/全3回)

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第5章 校舎に現れたゴーストの謎

「おーい、ルフナを見つけてきたぜ」
「途中で悪霊が現れたりしたからな・・・そんなものをここに連れてくるわけにはいかないし、憑かれないように引き離すのに時間かかったな」
 武尊とソウガたちが食堂で見つけたルフナを連れて生物室へやってきた。
「やっぱりここに来て正解だったな」
 ラビアンを見つけた政敏たちも、生徒たちが集まっている部屋の中へ入った。
「この校舎で拾ったんだろ?石をはめ込む場所がいくつかあるようだが・・・それについて何か分かったか?」
「いいえ、ぜーんぜん分からないわ」
「うちも分からへんかったどすなぁ」
 ソウガの問いかけに2人は首を左右に振り、謎についてまったく分からないと返答する。
「たしか校舎内で拾った石を持っているよね?月の絵柄が描いてあったり、水色の石とか・・・見せ欲しいんだけど」
 廃校舎内でルフナたちが見つけた石を、神和 綺人(かんなぎ・あやと)が見せてくれないかと言う。
「これなん?」
「そうそれ!―・・・ちょっと貸してくれないかな」
「えぇよ」
 綺人に手渡してやる。
「月と星の絵柄・・・それと虹の絵柄・・・他のは?」
 石が足りないことに気づき清泉 北都(いずみ・ほくと)は首を傾げる。
「あっ・・・もしかしてこれ?」
「たぶんそれですね、渡してあげてください」
 クナイ・アヤシ(くない・あやし)に言われ、ラビアンは北都へ手渡す。
「これを解くと何が起こるんでしょうね・・・」
 丸い石を見つめながら影野 陽太(かげの・ようた)が呟く。
「それじゃあ謎解きを始めようか」
 葉山 龍壱(はやま・りゅういち)たちはカンバスに書かれた言葉の意味と石の謎解きを始めた。



「―・・・2人に聞きたいんだがトランプの謎解きをした後、保健室に立ち寄ったのか?」
 謎解きの様子を見ているルフナとラビアンに政敏が問いかける。
「えぇいったわよ」
「そうなん?」
「ちょっと雑談でもしにね」
「―・・・そうなのか。俺たち・・・今日の夕方4時ちょっと過ぎに保健室へ行ってみたんだが会わなかったか」
「校舎内でその面白そうな石見つけたから、これが何なのか知っているか聞きに行こうと思うて行ったんやけど。ヘルドのおっさんおらへんかったで」
「ヘルドの残した物とか見かけなかったか。タバコの吸殻とか・・・」
「特に見ーへんかったけど・・・ずいぶん時間が経っているその吸殻しか見かけてへんな。ラビアンがなんや調べたいことがあるゆうたから、途中で別行動やったし」
「あー・・・あと、目の前でゴーストに連れ去られた人とかいたわよね。ビックリしちゃったわ」
「それってどんな顔のヤツだったか覚えているか」
 今度は口を挟んできたラビアンに質問を投げた。
「うーん・・・・・・あたたちみたいな普通の人・・・というかどこかの生徒のようだったわ。校舎のどこかに埋まってて運よく出られた人もいるみたいだけど、そうでない人はだぶん連れて行かれちゃったのかもね」
「(連れ去れたのは一般の生徒・・・ここへ遊びにたり調査しに来た連中なのか?それとも秘密を探ろうとして・・・・・・)」
 眉を潜めて政敏はナラカへ連れて行かれた生徒たちについて考え込む。
「・・・で、2人って付き合ってんの?」
 政敏の突拍子もない質問に、ルフナとラビアンは顔を見合わせ吹きだす。
「あっははは!ないない、絶対にない!」
 バンバンと膝を叩き、ラビアンは大笑いをする。
「うちも簡便やわー」
 ルフナの方は片手を振り、天地がひっくり返ってもありえないという態度をとる。
「なぁ・・・何かオレらに隠し事とかしてるんじゃないのか?」
 傍で冷静に聞いていた武尊が2人に問いかけた。
「隠し事どすか?そんなのあらへん」
 ヘラヘラと笑いながら言うルフナに、武尊が真剣な眼差しを向ける。
「なんやそないな顔をしはって・・・」
「一般人が乗り込むには物騒すぎるからな」
「しゃあないどすなぁ。―・・・うちらこの町のゴーストが人為的に作られたのかどうか気になって、ちょいと調べとったんどす」
「で・・・何か分かったのか」
「未練とか妄執で、そういう化け物が生まれることもあるかもしれへんけど・・・ここのはそれとちゃう感じやね」
「誰かが作り出した可能性が高いってことか」
「こんなのが外に出たらどうなるんでしょうね・・・」
「もしも調べた結果、ゴーストたちを外に出して何か企んでる計画やったら、早いとこ潰したほうがぇえやろ?」
 ボソッと呟くシーリルにルフナが答えるように言う。
「キミたちはそんな計画だったら阻止しようとしていたのか。一般人だけじゃ危険だぜ」
「せやけど誰かやらへんとなぁ」
「それもそうだが・・・。まぁなんだ・・・そんな物騒なことオレたちに任せとけ!」
「頼もしいお言葉やね」
 自信満々に言う武尊にルフナはニッと笑い返した。
 何も答えずに黙って聞いていたラビアンは、彼らを冷ややかな目つきで見ていた。



「謎解きが始まったようだね」
 生徒たちをゴーストから守るためレキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)が傍で見守る。
「考えている最中に怪我したら大変アル!」
 チムチム・リー(ちむちむ・りー)は廊下の方を警戒していた。
「再生するみたいだからな、もし出てきたらここから引き離さねぇと・・・」
 アーミーショットガンのトリガーに指をかけ、ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)はいつでも撃てるようにスタンバイしている。
「朝までかかるかもしれないから気合い入れねぇとな!」
「徹夜アルカ・・・」
「眠い時に狙われるかもしれないから気をつけないとね」
 生物室内を歩きながらレキは、ゴーストが生徒たちを狙っていないか見回る。