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【十二の星の華】想う者、想われる者

リアクション公開中!

【十二の星の華】想う者、想われる者
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リアクション

 エルの元につくと、ホイップはまた顔を赤くしていたが、さっきのミレイユのように深呼吸を1つした。
(よしっ!)
 心の中で気合いを入れる。
「エルさん!」
 ホイップの声を聞くとエルは灰から戻り、ふらふらと立ち上がった。
「ごめんね」
「やっぱり……振られ……」
 エルはホイップの言葉で灰になりかけた。
「ち、違うの! あのね、さっき突き飛ばしちゃって……それと、振ったわけじゃない……よ?」
 ホイップが言うと、エルはまた灰状態から復活した。
「えっと……その……私もエルさんが……あの……その……す、好きです!」
 ホイップは言いきると顔を赤くしてうつむいてしまった。
「え……それじゃあ……」
「うん……よ、宜しく……ね?」
 ホイップが上目づかいでちらりとエルを見る。
「よっしゃーーーーーーーっ!」
 エルはホイップをぎゅっと抱きしめた。
 その様子をにまにましながら眺めているのは幸、陣、リース、ノワール、蒼、恭司、菫、ルカルカ……他にも今回、エルやホイップを応援していた人達は全員だ。
 ちょっとさみしそうに見ていたのはカレンとホワイトだ。
 抱きしめたホイップに顔を近付け、今度こそ口づけをしようとエルが試みた。
 ホイップは逃げない。
「はーい、ストーップ!」
 キスは結婚情報誌で遮られてしまった。
 やったのは菫だ。
「教えてあげる! (義)妹たちはお兄ちゃんの邪魔をしてもいいのよっ」
 そう言うと、菫は良い笑顔で逃げ出した。
「何かいやなことがあったら、連絡してきてくれれば、妹総出でおにいちゃんにお仕置きしてあげるから。ふふふっ」
 リースも側に来て、それだけを告げると菫と一緒に逃げ出した。
 エルとホイップはふふっと笑う。
「えっと……ホイップちゃん。呼び捨てで呼んでも良いかな?」
「う、うん。私も……良い?」
「勿論」
「それと……浮気したら許さないから」
 ホイップは笑顔なのだが、黒いオーラを纏っていて……怖い。
「……はい……しませんです」
 エルは小さくなってしまった。
 部屋の中は笑いで包まれた。
 ホワイトは笑いながら、涙を少し流す。
 蒼がそれに気が付いて、何も言わずにぬぐった。
「ありがとうございます」
「うん……」
 ホワイトはそう言うと、ホイップとエルの元に駆けだした。
「あの……ホイップ姉様って呼んでも良いですか?」
「えっと……う、うん」
 ホイップはホワイトの申し出に戸惑いを見せながらも了承した。
 ホワイトの涙の理由はホイップには分からないだろう。


 温泉では芳樹とアメリア、『金烏玉兎集』、マリルがのんびりと湯に浸かっていた。
 そこに天音とブルーズが入ってきた。
「ふぅ……あ、ホイップとエルがくっついたみたいだよ」
「そうか……」
 天音の言葉を聞き、芳樹は1つ頷いた。
 アメリアも嬉しそうだ。
 あまり面識のない『金烏玉兎集』とマリルは首をかしげていた。
「ここの温泉の元とか売ってるのかな」
「ああ、それなら……」
 天音が言うと、芳樹が何かを言おうとした。
「それなら、買わずとも良い。好きなだけ持って帰れ」
 言葉を遮ったのは鄙だ。
「良い月だ……こんな日に野暮な事をいうんじゃない」
 鄙はそういうと、定位置のしだれ桜の下へと向かって行った。
 芳樹と天音は帰りにかなりの量の温泉の元を持って帰ったようだ。


「ふはははは! 宜しく頼む!」
 牙竜は廊下で携帯電話を切った。
 まだ冥土漢の洗脳が解けていないようで、いつもの口調と違う。
 どうやら、どこかに送り付けた写真の確認をしたようだ。


 ルイは部屋の中でにこやかに頷いていた。
 そんなルイの頭をセラエノ断章はうっとりと撫でまわしている。
「なんか気持ち悪いよ」
 リアの言葉は届いているのだろうが、全く動じない。
「これはやっぱり」
「やっぱり?」
 セラエノ断章がルイの言葉を反芻する。
「ルイ☆スマイル!」
 ルイの最大の笑顔とポーズで今回の話しは無事に終わったのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

えりか

▼マスターコメント

 皆さま、最後も遅れて本当に申し訳ありませんでした。

 今回の話しで十二星華編は一段落となりましたが、いかがでしたでしょうか?
 楽しんでいただけましたでしょうか?
 皆さんの色々な想いの形。
 本当に色々な形で、書いていてとても楽しかったです。

 これからのホイップのお話がどうなるか?
 勿論、秘密です!
 ただ、なるべく早く告知はさせていただきますので、宜しくお願いします。

 リアクションの裏話、シナリオガイドが出るよりも早い次回予告は『蒼い予告編』を検索してみてくださいませ。
 ではでは!