リアクション
「ハロー! ご機嫌いかかデスカ〜?」 『卵泥棒の蛇』 ある夜、卵の好きな蛇が、塀を越えて養鶏場に忍び込みマシタ。 「好物が沢山ある。至福だ」 さっそく卵を丸のみデス。 「いくらでも入る」 ゴクンごくんゴクンごくん。 「ぷはぁ〜、喰った!」 蛇は膨れた体を満足そうにゆすって言いマス。 「どこかにぶつけりゃ、腹の中の卵は潰れる。そしたら消化は簡単。すぐに元通りの大きさだ」 そう言うと、蛇は体をあちらの塀にぶつかっては……ドーン。 こちらの大岩にぶつかっては……ドーン。 ところが、いくら体を動かしても変化ナッシング。 「今晩のは少し殻が丈夫だな」 蛇はお腹をゆすって考えマス。 「そうだ、いくら硬くてもあそこから飛び降りれば……」 蛇は塀の横にある屋根よりも高い木によじ登って……ジャンプ! すると―― ぼよ〜ん!! 体が跳ねかえったではありマセンカ! そう、蛇が食べたのは卵に似せたスーパーボールだったのデス! 養鶏場の夜間対策恐るベシ! 「うわぁ〜! お助けぇ〜!」 蛇は塀を越え電線を越え、そのまた上まで弾んで、やがて見えなくなりマシタ。 結局、雲の上まで跳ねて、ずっとそのまま戻って来ない。 無理もありません。 卵泥棒の一件で足がついてますからネ。 捕まらないよう、高飛びして雲隠れデス。 どうやら、名前も変えたようですね。 噂では、この蛇、今は『龍』なんだそうで! ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「おお〜〜〜〜!! セバスチャン! 座布団だ! 座布団を5枚……いや、10枚こやつに出してやるのだ!」 「アラン様……一体、いつそんな知識を? 残念ながらこの部屋に座布団はございません。ですが……美味しい紅茶ならございます。心行くまで飲んで行ってください」 アランの支持でセバスチャンは今持っている最高級のダージリンを淹れてディンスをもてなした。 「またいつでも話を聞かせてくれてよいのだぞ!」 アランはそう言うと、ぷいっとそっぽを向いた。 「これが世に言うツンデレというやつデスネ」 ディンスはそう言うと、ティーカップに口をつけたのだった。 |
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