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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

リアクション

「みんな、頑張れー……。ふぅ、美味しいね。この『御神酒』」
「リラ!」
「ほら、つまみでもどうじゃ?」
「おっ、すまねぇな!」
「お茶にお菓子。それからみかんもあるよー」
「みかん欲しいリラ!」
「おーい、こっちにもつまみくれー!」
「ヒャッハー! つまみでお祭りだー!」
 そんな白熱したバトルをしていた頃、実況席後ろで鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)医心方 房内(いしんぼう・ぼうない)鬼龍 黒羽(きりゅう・こくう)らはこたつに入りつつ、失格になったモヒカン達やパビモン達と試合を観戦していた。
「あ、実況席のみんなもお茶どうかな?」
「そうですね。ずっと喋っていて喉渇いていましたいましたし、いただきますね」
「ミーももらうネ」
「では、自分も少し……」
「はーい」
 黒羽は実況席の三人にもお茶を出していた。
「どうぞー」
「ありがとうございます……、っとそちらの三人に出場するようにと、西シャンバラチームのほうから要請が来ていますね」
「ん、そうですか。それじゃあ、行きましょうかね。リラードさんも一緒にお願いしますね」
「リラ!」
「二人とも行くよー」
「はーい」
「仕方ないのぉ……」
 そして、貴仁達がリンク上へ……こたつに入ったまま。
「パックをこちらへー」
「む……、うむ」
 パックを持っていたカリバーン達の騎馬。若干戸惑いつつも、パックを貴仁達のほうへ。パックはそのままこたつの中に入っていく。
「じゃあ、そのままこたつごとゴール向けて打ってください」
「い、良いのか……」
「構わぬぞ。思いっきり頼む」
「ならば! あれを打つしかあるまい!」
 ボンッ! どこからともなく現れたハデス。
「だが……、壊れはしないか?」
「きっと大丈夫だよ! 安心して打っちゃって!」
「そういうことなら……」
「私たちの出番ですね」
「任せて! ばっちり応援しちゃうわよ!」
 そこにラブ・リトル(らぶ・りとる)近衛 栞(このえ・しおり)の二人もやってきた。
「こねぇならこっちからいっちまうぞ!」
 痺れを切らしたモヒカン達が迫る。
「時間がありません。行きますよ!」
「……了解した! ふんっ!」
「ぐはっ!」
「重い……、重すぎるぜぇ! ごはぁっ!」
 マグナが前方に『ランスバレスト』を放ちモヒカン達を蹴散らし、ゴールへの道を確保する。
「フハハハ! さぁ、見せてやるのだ! お前達の力を!」
「カリバーン! マグナ!」
「任せろ!」
「うむ!」
 ハーティオンの掛け声と共に、ハーティオン達三人の胸のクリスタルが輝き始める。
「頑張れ頑張れハーティオン♪ 負けるな負けるなカリバーン♪ 決めろー決めろーマーグナー♪ 西シャンバラ優勝だー! オー!」
「お願い……!」
 リトルの応援とマグナをフルパワーで動かせる始動キーの栞。二人の力で更に胸のクリスタルの輝きが増す。
「行くぞっ! マグナ! ハーティオン! 俺を使え!」
 カリバーンが聖剣形態へ。先端にはスティック。そのカリバーンをマグナとハーティオンが握る。
「フハハハ! これこそが三体のロボットのエネルギーが共鳴することで放たれる必殺技、ブレイブ・フィニッシャーだ!」
「行くぞ、マグナ!」
「おう!」
『ブレイブ・フィニッシャー!!』
 そして、二人が聖剣形態のカリバーンを振り、パックと貴仁達の入るこたつを打ち出す。
「おぉっ!!」
「打ったー! 超重量級騎馬が見せた必殺技! 打ち出されたこたつは東シャンバラチームのゴール向けて一直線だ!」
「わわっ! 目が回るー!」
 打ち出されたこたつ。壊れはしなかったものの、ものすごい回転とスピードでゴール向けて飛んでいく。
「そ、そうじゃな……。だが、グルグル回っている暇はないぞ?」
「リラードさん、失礼します」
 貴仁がリラードをこたつの中で沢山叩き、大量に分裂させる。
「準備はオッケー」
「うむ、それじゃ一つ派手にやるかの」
「ぅー……、ものすごく目が回ってきたけど頑張る!」
「それじゃあ、せーのっ!」

「こ、こたつ飛んでくるけど、どうやって止めようか……?」
 絶賛高速スピン中のこたつを見て若干顔が引きつっている北都。
「あれを生身で止める術はないだろうな。下手するとこちらが大怪我を負う」
「だよね……、ってすごい飛んできた!?」
 こたつが大量のリラードをいろんな方向に飛ばしていた。
「リラードだけでも止めるよ!」
「分かっている!」
 
「……えっ!? こちらにもですか!!」
 味方が攻撃しているからと安心していた優希。だが、そこにこたつから放たれたリラードが飛来。
「しかも沢山来てます……! と、とにかく止めないと!!」
 動揺しながらも盾を持ちリラードに備える優希。

「……すごい数のリラードがいろんな場所に飛んでいったね……」
 飛び散るリラードを見て呟くリトル。
「味方のゴールにも沢山飛んでいきましたね……」
「なんだか、大変な事をしてしまった気がするな……」
「……仕方あるまい。もう打ってしまったのだ」
「ご、ゴール!! こたつを打ち出し、更にそのこたつから大量のリラードを飛ばした西シャンバラチーム! 東シャンバラチームのゴールに入ったのはこたつにあったパックを含め四つ! だが、ランダムで飛来したリラードが西シャンバラチームのゴールにも飛来。入った数は五つ! これにより13対12! ここに来て両チーム一点差! まだまだ試合は分からないぞ!!」
「沢山入ったケド、自分達のゴールに多く入れてしまったのは痛手ネ」
「……」
「まぁ、仕方あるまい……。打ち出された三人もこれは予想外だろう」
「そうですね……。あれはもう運でしかありませんでしたから」
「相手のほうが運がよかったって感じだね……」
「……まだ試合は終わっていない……。頑張るぞ。マグナ、ハーティオン!」
「う、うむ。そうだな」
「であるな」
「その調子! あたしも頑張って応援するわ!」
「そうですね。まだ勝っていますし、頑張っていきましょう!」
「フハハハ! 次、かっこよく決めて勝利しようではないか!」
 微妙な雰囲気になりながらも気合を入れなおす面々だった。

「うぅ……、世界が回ってるー……」
「さ、さすがにこれだけ回るときついね……」
「そうじゃな……」
 一方、こたつごとゴールに入った三人。さすがのスピン量に参っていた。
「だ、大丈夫かい?」
 さすがの北都も三人を見て心配そうに様子を見る。
「あー……、大丈夫。なんとかなるよ……。とりあえず脱出しよう……」
「そうじゃな……」
「みんなには悪いことしちゃったね……」
「まさか、あそこまで飛んでいくなんて……予想外だったね……」
「代わりに精一杯応援してやろう」
「だね!」
 そのまま貴仁達はリンク外へ脱出した。