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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

リアクション

 パックを持つのは陽一達。
「北都さんのおかげで点差は広がらなかった。これはチャンスか」
「そうね。これで私達が入れれば一点差になるわけだし」
「そういうことならいっちょかましたろ!」
「うん! 私たちならいけるよ!」
「速攻で決める!」
 再び速攻戦法。
「同じ手が二度も通用すると思うな!」
 そんな五人の前に現れたのは海達が組む騎馬。
「一組の騎馬で……っ!?」
 抜けようとした陽一の前にはすでに海達の姿。
「速いねっ!」
 慌てず美由子へパスする陽一。
「いかせません!」
「わっ!」
 柚の『氷術』で美由子の足元を凍らせ身動きを封じる。
「え、えいっ!」
「これは頂いていきますね」
 慌てて出したパス。それをカットしたのは垂とセイカの二人騎馬だった。
「よっしゃ! 行くぜ!」
「ルカ達の番だね!」
 垂達に合流したのはルカルカ達の騎馬。そのまま東チームへ。
「きやがったな!」
「ヒャッハー! 汚物はブロックだぁ!」
「ヒーハー!」
「フルヒャッハー!」
 二つの騎馬の前方にはモヒカンホッケーチームの皆さん。
「そっち頼むぜ!」
「任せて!」
 一度左右に分かれる垂とルカ。
「ルカルカ、指示を頼む。連携を取るなら君の指示の方が的確だろう」
「りょ、了解です!」
 英照に大役を任された、ルカ。相手と垂達の騎馬をしっかりと見据える。
「ヒャッハー! パックはいただきだぁ!」
「あげませんよ!」
 セイカは薙刀のように長いスティックを巧みに操り、パックを守っていた。
「ルカさん!」
「……前へ!」
 ルカルカの指示通りに動くと、ちょうど良い位置にセイカからのパスが飛んできた。
「見事だ!」
 そのままパックを取り突き進む。
「ヒーハー!」
「後ろ危ないぞ!」
 後方び淵の叫び声を同時に、後ろから衝撃。
「む……!」
「おっと!」
「きゃっ!」
 モヒカンからのタックル。バランスを崩すルカ達の騎馬。
「これで終わり――」
「させるか!」
「ぐへっ!」
 再びタックルをしようとするモヒカンを吹き飛ばす垂達の騎馬。
「みな踏ん張れ!」
「うおぉぉぉぉぉ!」
 カルキノスが踏ん張り、体勢を立て直す。
「さすがカルキ!」
「こういうことは俺の仕事だからな!」
「そちらの皆さん、大丈夫ですか?」
「こちらは無事だ。すまないな」
「いえいえ。ゴールは目前、行きましょう!」
「俺の出番だな! みんな、俺の分まで頑張れー!」
 淵が『ゴッドスピード』を二つの騎馬にかける。高速でゴールへ迫る二つの騎馬。
「行かせるかよ!」
「参謀長、左へ」
「うむ」
 迫るモヒカン。ダリルの言葉を受け左へ移動。それによりモヒカンを回避することに成功する。 
「なんだと!?」
「汚物はブロックだぁ!」
 更に迫り来るモヒカン。
「よいしょっと!」
 ルカルカが右前方へパス。その先には垂達の騎馬。
「さすが!」
 意思疎通がぴったりの二組。言葉を交わさずとも、お互いの位置をしっかり把握しカバーし合っている。そのままモヒカン達をかわし続けゴール前へ躍り出る。
「シュート行きますよー!」
「リラードを頼む」
 セイカの言葉を聞いてダリルがリラードを要求。
「リラードさん」
「リ、リラ……」
 笑みを浮かべるティーに若干びくびくしているリラード。
「お願いしますね」
 そして、リラードはダリルの前へ。
「ルカ、落ちるなよ?」
「大丈夫! さぁ、思いっきりやっちゃって!」
 リラードを二つに分裂させるダリル。
「それ!」
「甘い!」
 セイカのシュートをモーベットが弾く。
「はっ!」
 ダリルが『勇士の剣技』でフェイントを交えてリラードを打つ。
「っ!」
 一つ目を弾く北都。次に備えるもすぐには飛んでこない。
「これでどうだ!」
「しまった……!」
「くっ!」
 二つ目。フェイントに惑わされ完全にタイミングをはずした北都。モーベットも飛びつくがセイカの打ったパックを防ぐため離れていたため、ギリギリ届かず。リラードはゴールの中へ。
「ゴール! 西シャンバラチーム更に点差を広げました! これで9対6! 東シャンバラチーム、追い込まれてまいりました!」
「三点は大きいネ。時間もあまりナイネ、ここで更に離されたら勝つのは厳しくなるネ」
「やったねダリル!」
「二つ入らなかったのが残念だが、一点でも入れば十分か」
「うむ、さすがだ。二人の指示も的確だ。それに、カルキノスもよく踏ん張ってくれた。おかげで騎馬も崩れずにすんだ。礼を言う。ありがとう」
「いえいえっ、そんな……!」
 英照の礼に恐縮するルカルカ。
「そちらの二人も、見事な連携だった」
「まぁ、ルカルカとは長い付き合いだしな。あれぐらい簡単さ!」
「ふふっ、垂さんは頼もしいですね」
「おう、任せろ!」
「うむ、期待しよう。それでは、戻るとしようか」