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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

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【冬季ろくりんピック】情け無用! アイス騎馬ホッケー!

リアクション

「同点になってしまいましたね……」
「簡単だ。取り返せば良い。頑張るぞ」
 パックを持つのは西チーム柚、三月、海の三人による騎馬。機動性なども考えた結果、海が前、三月が後ろ。そして、柚が二人の上に乗っている。
「そうですね。頑張ります!」
 海の言葉に張り切る柚。
「攻めるのかい?」
「あぁ。ついてこいよ?」
「もちろん、任せて。柚、落ちないように気をつけてね?」
「大丈夫です!」
「よし、行くぞ!」
 海の動きにしっかりとついていく三月。
「ククク……、また燃やして欲しいのかしら!」
 前方にはレロシャン。再び『パイロキネシス』を行使する。
「任せてください」
 だが、柚が『氷術』を使い火を消火する。
「なんですって!?」
「すまないが通らせてもらう」
 驚くレロシャンを横目に海達は前へ。
「ヒャッハー! 汚物はブロックだぁ! ここから先は通さねぇぜ!」
「俺様達の華麗なブロック見せてやるぜぇ!」
 海達の前に出てきたモヒカン達。
「三月ちゃん!」
「任せてよ!」
 二人が、『超感覚』『殺気看破』を使う。
「ヒャッハー!」
「海くん、右からです!」
 柚の指示を受け素早く右から来たモヒカンをかわす。
「次も右。その後は左の後ろから!」
 二人の言葉を聞き動く海。三月もその動きにしっかり合わせている。
「すごいコンビネーションですね」
「更に、パックをこぼさないよう二、しっかり操ってるネ」
「さすがとしか言いようがないプレーだ!」
 そのまま、回避し続けモヒカン達を置き去りにしゴール前へ。
「こ、この俺様達が簡単に抜かれるなんてぇ!!」
「なんて奴らだ!」
「柚しっかり掴まっていろ」
「はい!」
 そして海がシュートフォームへ。
「入れさせないよ!」
 それを見てキーパー北都も構える。
「それっ!」
 そこで三月が『雷術』を北都へ向けて放つ。
「それが通るとでも?」
 だがそれは『イナンナの加護』や『歴戦の防御術』で防御を強化したモーベットがに防がれる。
「それからこれもおまけだよ!」
 更に守備についていたレキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)が海が打つ瞬間に『サイコキネシス』を発動。
「くっ!」
 軌道がずらされ、威力の低いシュートに。
「これなら」
 もちろんそれが、ゴールに入るわけもなく。北都に止められてしまう。
「やっぱり一筋縄ではいかないか……! すぐに戻るぞ!」
「はい!」
 海達はすぐさま自分達のコートへ戻る。
「そうやすやすと戻してたまるかぁ!」
「さっきは抜かれたが、今度はそうはいかねぇぜ!」
 再び海達の前にはモヒカンホッケーチームの皆さん。
「ちっ……!」
「助かります……、ネノノちゃん!」
 その間に北都が再び前線のネノノへパス。
「また出番だね!」
 パスを受け取り攻め入ろうとするが、
「させん!」
 目の前に立ちはだかるマグナ達の重量級騎馬。
「一人ならば止める事は簡単だ」
 カリバーンが前の防御形態。
「確かに、これは厳しいかな……」
「手伝いますよ!」
 その声と共に飛来した『超伝導ヨーヨー』。狙いはカリバーンの持っていたスティック。そしてそのままスティックを破壊する。戻るヨーヨーの先にいたのはクロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)
「なに!?」
「今ですよ!」
「ありがとっ!」
 一瞬の隙をついてネノノが横をすり抜けようとする。
「行かせるか!」
 だがカリバーンがネノノ目掛け『鳳凰の拳』を放つ。
「 お願いしますっ!」
 その攻撃があたるよりも先に陽一へパス。
「しっかり受け取った!」
 そして、パスを受け取った陽一は、ゴール目掛けて一気に滑る。
「いっけぇ!」
 フリーからの渾身のシュート。
「させません!」
 優希は盾を手に身体を張ったブロックでパックを弾き飛ばす。
「おっと、もう一度だ!」
 拾ったのはフリーレ。そこから再びシュート。
「まだです!」
 ブロック! 弾き飛ばすもその先には美由子。
「それ!」
「っ……!」
 今度はギリギリで弾くことに成功した優希。
「頑張るね! でも、これで終わりや!」
 だが、天は東チームに味方した。トドメとばかりにソラがシュート。さすがに四回連続のシュートを受けきることは出来ず。パックはゴールへ入った。
「優希選手。見事なブロックぶりを見せましたが、さすがに防ぎきれず! 東シャンバラチーム連続得点です!」
「身体を張ったプレーは見事だった。だが、天は東シャンバラチームに味方をしたようだな」
「これで二対一ネ。少数ながらも奮起している東シャンバラチームがリードネ」

「ふぅ……良かったぁ」
 カリバーンの『鳳凰の拳』を受け座り込んでいたネノノが安堵のため息をついた。
「すまない。大丈夫か?」
 カリバーンが心配そうにネノノを見る。
「うん、これぐらいなら平気だよ」
「大丈夫ですか!? すぐ治療します」
 そこにエレノアが駆けつけ、治療を開始する。
「カリバーンよ。新しいスティックだ」
 更に、ドクター・ハデス(どくたー・はです)が新たしいスティックをもってやってきた。
「む、大丈夫か?」
 治療されているネノノを見て心配するハデス。
「うん、大丈夫」
「外傷もほとんどなし……。よし、これで問題なし」
 治療を終えたエレノアが頷く。
「無事なら良いのだが……」
「まぁ、こういう競技だからね。想定の範囲内だよ。だから遠慮しないで全力で勝負しよう!」
「怪我しても私達がいるから。もちろん、怪我しないことに越したことはないけど……」
「カリバーン、彼女達も言っていることだ。正々堂々戦おうではないか」
「そうだな。遠慮して負けたなんてみんなに申し訳ないだろう?」
「マグナ、ハーティオン……。そうだな」
「怪我したら呼んでね。すぐにかけつけるわ」
「それじゃお互い頑張ろう!」
「うむ、そうだな!」
 小さな友情(?)が生まれた瞬間だった。