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聴こえよ我が声 応え結びを

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聴こえよ我が声 応え結びを

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 ライラが真実を語っている時、洞窟の中に居た和輝たちはフェリクスが封印されている場所で裕輝と出会っていた。

 裕輝は水晶の柱に持って来た椿の花が付いた枝をかざす。
 しかし、なにも起こらない。

「やっぱり、地祇が宿らないただの椿ではダメなんやねぇ」
「なにをしたんだ?」
「んー。封印を解くには椿の花が必要やねん」
「椿の花? なんで?」

 和輝と春華の疑問に裕輝は今まで集めて来た情報を話しだす。
 内容はほとんどライラと同じであった。

「……へぇ〜。ライラちゃんがフェリクスちゃんの封印を解こうと思わない限り、この封印は弱まるだけで解かれることはないんだぁ」
「そうやで」
「じゃが、ライラはそう思ってはおらんみたいじゃぞ?」
「きっとここに来るハズやで」

 裕輝は自信満々にそう言う。
 それを和輝たちは疑問に思った。



◇          ◇          ◇




「だから、あなたたちを通す事はできない」
「そう…あなたにとっては話しづらい事だったと思うけど……話してくれてありがとう」

 ライラがそこまで話すと、セレアナはそう礼を言う。
 そこへ今まで離れた場所で聞いていた芭柘美たちが出てくる。

「ねぇ、なんで椿の地祇はライラを蘇らしたの?」
「それは私が裏切ったからでしょうね。その罰としてここで死ぬことなく彼を守っていかないとならないの」
「私……それは違うと思うわ。きっとその地祇はあなたとフェリクスさんの誤解を解かす為に生き返らしたのよ」

 芭柘美の疑問にそう答えたライラに対して、クエスティーナはそう言った。

「きっとそうだよ。誤解を解くためにもうちと一緒に行こう?」
「無理よ」
「大丈夫! フェリクスだってライラから真実を聞きたいと思うよ?」
「真実も何も、裏切ったことは本当のことじゃない。私から話す事なんてなにも……」
「一緒に外へ出たかったんでしょ? いろんなモノを見たかったでしょ? それをちゃんとフェリクスに言ったの?」

 首を振るライラ。

「ね? 一緒に行こう?」
「大丈夫。ひとりじゃないよ。アニスにはちゃんとライラの気配も感じる事ができたもん」

 今まで和輝の背に隠れていたアニスが出てきてライラへ手を差し伸べる。
 ここにいる人全員が優しくライラを誘う。

「……分かった。一緒に行くわ」

 ようやくライラは決心し、芭柘美たちと一緒にフェリクスに逢うことになった。

 洞窟に入っていく芭柘美たち。
 今度は和輝たちのようにコウモリに襲われることはなかった。