イルミンスール魔法学校へ

シャンバラ教導団

校長室

百合園女学院へ

全力! 海辺の大防衛線!

リアクション公開中!

全力! 海辺の大防衛線!
全力! 海辺の大防衛線! 全力! 海辺の大防衛線! 全力! 海辺の大防衛線!

リアクション




第三章

 防衛拠点を見事守り抜いたメンバー達。残るはナラカのモンスター達の殲滅。モンスター達も数が減ってきたのか主力らしい大型モンスターが多く見られ始めた。
「さぁ、私達の出番だね! 頑張るよー!」
 気合十分の小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)。そんな美羽を後ろでニコニコしながら見ているコハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)
「頑張ってね、美羽。応援してるよ」
「任せて♪」
「やぁ、二人ともいろんな意味で頑張っているかい?」
 そんな二人のもとにやってきた城 紅月(じょう・こうげつ)
「いろんな意味……?」
 首を傾げるコハクにそっと近付く紅月。
「美羽との仲、進んでないんでしょ?」
 そしてコハクに耳打ち。
「え、えっと……」
 口ごもるコハク。それを見てニヤニヤする紅月。
「どうしたの?」
 首を傾げる美羽。
「なんでもないよ。ねぇ、美羽♪ このままじゃ、つまらないから、イケナイオトコノコに変身して歌っちゃうね♪」
 紅月が『ちぎのたくらみ』でゴシック服(魅惑の半ズボン+ニーソックス)を着た、十三歳の姿に変化する。
「紅月さん、やる気だね!」
「色々……ね♪」
「紅月、そろそろ敵が……あ、え? こ、紅月……? (何デスカ、ソノ刺激的ナ格好ハ……)」
 呼びに来たであろうレオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)が紅月の姿を見て固まった。
「やぁ、レオン。美羽とコハクのために……ね♪」
「……? 私とコハクのため……?」
 首を傾げる、美羽。レオンの方は何か理解したようで冷や汗をたらしながら頷く。
「そうですか。美羽さんとコハクさんのためですか……。どうも誘われているような気が……」
 一人、口ごもるレオンに紅月がすり寄る。
「そうそう。だから……ね?」
「あ、こら! そんなにくっつくないで……!」
「…………」
 目の前で行われているイチャイチャをコハクは顔を真っ赤にしつつ、視線をそらす。
「キミ達、楽しんでいるところ悪いが敵が来たぞ」
 やってきたマグナ・ジ・アース(まぐな・じあーす)が海のほうを指差す。その先には、騎馬に乗った武者やスケルトン。大型のゴーレム達が上陸しているところだった。
「ふむ、やっと来たか」
 待ってましたとばかりにやってきたコア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)
「今回は我ら蒼空学園のリーダー山葉校長の号令の下、対ナラカの怪物相手の水際作戦に、新たなる仲間達と共に参加するぞ。行くぞ、皆!」
 ハーティオンが勢いよく振り返ると、そこには誰もいない。
「……あっちよ」
 近くにいたラブ・リトル(らぶ・りとる)が白けた目で海を指差す。そこには星怪球 バグベアード(せいかいきゅう・ばぐべあーど)忍者超人 オクトパスマン(にんじゃちょうじん・おくとぱすまん)の姿がありすでに戦闘を始めていた。
「……アバレル……アバレル」
 海を割って出て来た。巨大なメカ目玉のバグベアード。球体の各所から伸びる触手で敵を叩きまくる。時々鈍い音がするのはUSBケーブルの角で殴っているかららしい。
「ケケケーッ! 悪魔忍者オクトパスマン参上! 墓場に送り返してやるぜー? 落ち武者どもよー!」
 『テンタクルスティンガー』で敵を貫いて暴れている。オクトパスマン。すでに好き放題暴れている二人。
「あっ! 私より目立つなんて許さないんだからね!!」
「あっ、美羽待って!」
 美羽もすぐさま敵の方へ走っていく。それを追っていくコハク。そして、紅月にすりすりされていたレオンも限界が来たらしい。
「ふふふ……、これはナラカの怪物に餌食になっていただかないと、私は我慢できません!! 手加減しませんから! ええ、出来ませんとも!!」
「うんうん、みなぎってきたね」
 興奮気味に敵のほうへと歩いていくレオンとそのあとを追う紅月。
「……むぅ、やる気が高いのは良い事だな」
「そうであるな……」
 そして完全に出遅れたマグナとハーティオン。
「……よ、よし、我等も行くぞラブ!」
「そうね……」
 だいぶやる気のなさそうなラブを連れて行くハーティオン。
「……行かないの?」
 マグナの後ろにはリーシャ・メテオホルン(りーしゃ・めておほるん)ナーガルジュナ・フォレストマン(なーがるじゅな・ふぉれすとまん)
「行くに決まっているであろう」
「そう来なくては……。さぁ、行こう!」
 テンションの高いフォレストマンの後についでマグナとリーシャも行動を開始した。

「さぁ、かかってきなさい!」
 美羽が『ブライドオブブレイド』を手に、敵を挑発。寄ってきた敵を一閃のもとに斬り捨てる。
「この滾る想い……思い知りなさい!」
 レオンが『凍てつく炎』、『ファイアストーム』、『サンダーブラスト』、『アシッドミスト』に滾る想いを込め敵へ乱射。
「僕も……」
 コハクは『幸せの歌』を歌い美羽をサポートする。
「さて、俺もやるよ……。歌姫(俺)の祈りを聴けぇ!」
 紅月も『震える魂』、『熱狂』、『激励』、『ファンの集い』、『咆哮』、『幸せの歌』のスキルをフルに使い歌い始める。
「その瞳は俺のもの その手で触れてよ」
「紅月の歌……いつ聞いても美しい……!」
 紅月の歌を聴いてレオンの攻撃がより一層激しくなる。
「私も負けてられないよー!」
 美羽も負けじとどんどん敵を倒していく。
「世界で一番欲しいって 言って? 俺以上に欲しがって 知ってるよ 本当は俺の方が……」
 そこに巨大なゴーレムが出現。
「でかい……でも、私だって! 変身!」
 美羽が『変身!』を使うと巨大な魔法少女へと変身する。
「美羽……頑張って!」
 コハクも精一杯歌い上げる。
「心で包みたいって想っているんでしょう? だったら……そうして。ねぇ……。ずっと感じていたいから」
 紅月が歌いながらレオンの顔を見る。
「紅月……」
 それだけでうっとりのレオン。二人の周囲には見えない腐のオーラがあるのか敵が近付いてこなくなっていた。
「せやっ!」
 巨大化した美羽が、ゴーレムを圧倒する。ある程度ダメージを与えたところで美羽が一度距離をとる。
「この右脚に、私の全てを込めて……」
 光の魔力が美羽の右脚へと収束する。
「邪な願いが祈りに変わるよ 幸せが俺を変える(もっとして イイヨ?)」
「……紅月!」
 紅月のささやきにレオンのボルテージがマックス! 滾る想いを魔力に乗せてところ構わず魔法を連打!
「行くよ!」
 美羽が跳躍。そこから繰り出されるジャンプキックがゴーレムに直撃。
「今は貴方がいる世界中を愛したい 奪うより もっと強烈な 与えたいって気持ちを 蒼空(そら)に放つよ」
 紅月の歌が終わると同時にゴーレムが光の大爆発! 光の粒子が紅月達に降り注ぐ
 レオンも『リカバリ』、『バニッシュ』、『清浄化』のスキルで紅月の歌を彩った。
「成敗完了!」
 美羽が元の姿へ戻る。
「お疲れ様、美羽」
「コハクもお疲れ様!」
 お互いに労う二人……。
「ねぇ、レオン……。今夜はこの格好で【夜のご褒美】あげてもいいよ?」
「今晩は手加減無しですよ……ククク」
 そして、腐のオーラを出しながらイチャイチャしている二人だった。