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  エピローグ2 八紘零


 未だその存在が杳として知れない、八紘零であるが。
 今回の騒動で判明したことがいくつかある。


 構成員の証言をもとに、及川猛は更なる調査をつづけていた。
 関連する製薬会社。そして拷問島にまつわる事例。
 テレサ・カーマインによる、《アトラスの瘡蓋》のレプリカの分析結果も参考にしながら、及川は徹底的に調べあげ、ついに『八紘零は拷問島にいる』ことを確信した。

 及川が導き出した結論は、すぐに他の契約者たちに送られたが、《拷問島》という都市伝説めいた響きに、疑うものも多かった。
 しかし、ハイコド・ジーバルスが、捕らえた食人女に特上の牛肉を(ポケットマネーで)食べさせたおかげで、彼女をはじめとする食人族、および生き残った不愉快な仲間たちも証言した。

――八紘零は、拷問島にいる。



 その一方で、創世学園に戻った空京たいむちゃんは愕然としていた。
「うそ……。ファーストクイーンのクリスタルが、盗まれてる……」

 厳密に言えば、クリスタルそのものが盗まれたわけではない。クリスタル自体は、ちゃんと創世学園に守られたままだ。
 だが。そのデータを何者かによって読み取らた痕跡が、はっきりと残されていたのだ。
 核テロの騒動でニルヴァーナが混乱していることに乗じ、零の手先が忍び込んだのだろう。
 盗まれたファーストクイーンの力。
 一体、八紘零はクイーンの力を使って、どんな野望を企んでいるのか――。



 とはいえ、パラミタの契約者たちも、ただ手をこまねいているわけではなかった。
 タシガン空峡には、ツァンダの宝石商人の首が晒されていた。死の恐怖に歪んだまま、虚ろに空を見上げる宝石商人の頭部。
 晒した人物はリネン・エルフトである。こうしてリネンは、自分のシマに巣食っていた悪徒に鉄槌を食らわせたのだ。
 これは、八紘零への反撃の狼煙でもあった。

 タシガン空峡の風に吹かれたように、晒し首の一件は、瞬く間にパラミタ中へと広がった。
 親玉である八紘零も、そのニュースを耳にする。
「ほう……。このパラミタにも、ずいぶん腕白な者がいるようだ」
 零は、自分を囲う三体のギフトへ、怒りを押し殺しながら告げた。
「どうやら愚民どもは理解していない。――ならば教えてやろう! この世界に渦巻くDNAの螺旋は、私を中心に回っているということを!」
 持っていたワイングラスを叩き割ると、彼は荘厳に続ける。



「さあ、始めよう。アポカリプスの開闢(かいびゃく)を! すべての輪廻は、私のもとで繰り返される――!」

担当マスターより

▼担当マスター

水琴桜花

▼マスターコメント

 お読みいただきましてありがとうございました! 水琴桜花です。
 
 今回はわりと本気で、ニルヴァーナの児童施設を吹っ飛ばすつもりだったのですが、皆様の素敵なアクションにより、核ランジェリーの爆破はさけられました。
 また、掲示板では“激おこ糞糞丸”への表明がなかったので、
「ヤバイ。滑った」
 と焦りましたが、ちゃんとアクションをかけてくれたプレイヤーさんがいてホッとしております。


 今シナリオでは、バトルそのものよりも、『説得』や『交渉』を中心にするつもりでガイドを書きました。
 その結果、期待通り、それどころか期待以上のアクションが寄せられたので、とても嬉しかったです!
 ただ、だからといってバトルを蔑ろにしたわけではありません。『敵を殺す』というアクションも(あるいは敵役アクションも)然るべきだと思うので、そのあたりはプレイヤーさんの意図を汲み取ったつもりです。
 至らないところがあれば、掲示板に書いていただけたらありがたいなと思います。


 ニルヴァーナの施設は、今回の事件によって完全に閉鎖されています。それに伴って、子供たちの幾人かは、素敵な契約者のもとで新たな生活をすることになりました。
 もっとも、なかにはアブノーマルな契約者もいるようですが……。引き取られていった子供たちの処遇については、《蠱毒計画》のとき同様、空京たいむちゃんがこう宣言しています。
「まあ、悪いようにはされないでしょう」


 いよいよ黒幕の八紘零が姿を現していきますので、よろしければ、次回以降もご参加いただきたいなと思います!
『ファーストクイーンのクリスタル』を使って、八紘零がなにを企んでいるのか。その悍ましき悪意に、ご期待ください。


 それでは皆さん、お疲れさまでした。ご参加いただき、重ね重ねありがとうございます!
 またお会いできたら嬉しいです。