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平行世界の人々と過ごす一日

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平行世界の人々と過ごす一日
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リアクション

 薫達と遭遇した後。
 双子達は命からがら逃げていたが、随分遠ざかった所で双子達は足を止めた。
「何であいつらもいるんだよ」
 ヒスミはぶるりと肩を震わせながら怖い熊の人達を思い出していた。
「まさか私達と同じようにこっちに来ているなんて」
 ヒスナも同じく怯えていた。
「しかも何かあちこちであいつも湧いて出て来るし」
 キスミは行く道行く道湧いてくる吹雪に青い顔。激しく周囲を見回していた。
「とにかくどこか……!」
 キスナも周囲を見回していたが、青い顔で言葉が止まった。
 なぜなら
「みーつーけーたーでありますよ」
 ゆらりと恐怖を与えるようにじっとりと吹雪が登場。
「!!!」
 真っ白い顔で双子達は背後に逃げ道を求めるが
「残念でありますよ!」
 平行世界吹雪が現れ、バントラインスペシャル雅羅式片手に不敵な笑み。
「お、おい」
「何で銃!?」
 嫌な予感に冷たい汗が流れる双子兄弟。
「心配は無用でありますよ」
 双子姉妹を知る平行世界吹雪は怖い笑み。映像でもブラックアウトの前に叫びを上げられるほどの仕置きをした達人である。
「違う道から」
「捕まったら大変な事に」
 恐怖を知る双子姉妹はそれぞれ左右の道に活路を見出そうとするも
「もう悪戯はだめだよ!」
 右からは美羽。
「後片付けをしないとだめだよ!」
 左からは瀬蓮。
 すっかり逃げ道は塞がれ、
「……」
 じりじりと接近する恐怖に沈黙する双子達。
 そして堪えられなくなった双子達は、命の危険を感じたかのように
「申し訳ありませんでした!」
 ヒスミとキスミ。
「ごめんなさい!」
 ヒスナとキスナ。
 勢いよく謝った。
「それじゃ、後片付けをする事!」
 美羽がびしっと人差し指を立てお叱りモード。
「……ただ賑やかにしようとしただけなのによ」
 文句を垂れるヒスミ。
「何か言ったでありますか?」
 聞き逃さなかった吹雪が不敵な笑みで聞き返す。
「何でもないですっ!」
 恐怖を感じたヒスミは元気に答えた。
「後片付けを手伝ってあげるからその代わりにスイーツを私達に奢る事!」
 美羽が愛らしい笑顔を浮かべながら馴染みのおねだり。
「はぁ、何で奢らなきゃなんねぇんだよ」
 キスミは口を尖らせ、不満顔。
「私達って……まさか!?」
 キスナは美羽の言葉からある事に気付いた。単数ではなく複数だと。
「ここにいる全員だよ。四人もいるから大丈夫でしょ?」
 聡いキスナに活発瀬蓮はにっこり。
「自分達も御馳走になれるのなら頂くでありますよ!」
 吹雪も楽しそうに乗る。
「はぁぁ!?」
 さすが双子。うなだれ深い溜息を吐き出すのもぴったりだ。
 この後、蝶を全て捕獲し、近くの喫茶店に入った。そして、双子達は美羽達と吹雪達、様子を見守っていたコルセア達も加わり総勢六人に果物いっぱいのフルーツパフェを奢る事となった。
「ワタシ達まで御馳走になって悪いわね」
「美味しく食べるわ」
 コルセアと平行世界コルセア美味しく頂いた。
「……何で二人追加するんだよ」
「……はぁ」
 溜息を吐く双子兄弟。
「……楽しい日になると思ったのに」
「これじゃいつもと同じ」
 うなだれる双子姉妹。
 両双子共に死んだ目で楽しそうに互いの世界の事をお喋りしながらスイーツを楽しむ六人を見ていた。