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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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「……ィ……ィー……!」
 霞む意識の中、呼びかけてくる声を聞いてティーははっとなる。
 じょじょに我に返っていく中、ティーは自分の身体を包む温かな感触に気付く。
「羽鳥……さん?」
 大変な状態になっていたティー。
 そんな彼女を航が抱きしめてくれていたのだ。
 
 ティーが我に帰ったのを感じ取り、航はそっと手を離す。
「大丈夫か?」
「はい……。その、ごめんなさい……。わかっていた、筈なのに……。羽鳥さんが戦う理由が、ちょっとやそっとのことじゃないって」
「気にしなくていい」
「あんな思いをする人をこれ以上出さない為、なんですね」
「ああ。あんな目に遭うのも、あわよくば、それを繰り返させない為にすべてをぶっ潰す役回りも……俺で最後にしたい。だからだ」
 
 それだけ言うと、航はティーをベッドへと寝かせる。
 布団をかけてやると、航は立ちあがった。
「もう行くぜ。もうすぐ出撃みたいなんでな」
 そう言って航はドアへと歩み寄り、ノブに手をかける。
 
「羽鳥さん」
 未だ疲れが残る声ながらもはっきりと呼び止めるティー。
 手を止めた航の背に向けて、ティーは言葉を投げかける。
「ただ、それでも…やっぱりこんなこと間違ってると思うから。どうにかして止める手立てを考えたいです。だから、それまで……どうか、死なないでくださいね」
 振り返らず、軽くてを上げて応えるだけの航。
 だが、ドアを開けて出ていく直前。
 彼は不意に口を開いた。
「わーった。『約束』にしとくよ」