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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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 同時刻 迅竜 居住区
 
 鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)源 鉄心(みなもと・てっしん)の部屋を訪れていた。

「俺と鉄心さん、スープは絶対に戻ってくるから美味しいのを作っといてくださいね? ……あと、愛ちゃんの面倒お願いしますね?」
 貴仁はしゃがんでイコナ・ユア・クックブック(いこな・ゆあくっくぶっく)と目線を合わせると、優しく言った。
「うん……」
 心配そうな顔でうつむイコナ。
 彼女を元気づけるように、鬼龍 愛(きりゅう・あい)も言う。
「おとうさんたちしんぱいだけど、みんなつよいもんね! やくそくもしたし、ぶじにかえってくるよね!」
 それでもイコナは心配そうな顔のままだ。
「イコナ、信じて待っていてくれるかな?」
 やはりしゃがんでイコナと目線を合わせ、優しく問いかける鉄心。
 するとイコナはようやく顔を上げ、ゆっくりと頷いた。
「これ……」
 イコナは可愛らしい袋とリボンで放送された包みを鉄心、そして貴仁に差し出す。
 
 自分でも出来そうなことを探していたイコナ。
 彼女は厨房に潜り込んでクッキーを作っていたのだ。
 何となくうさぎ型とかねこ型に型抜きして、ついでに鳥や蛇、鼬に犀なんかの形も作ってみたのが見て取れる。
「ありがとう」
 笑顔でそれを受け取る貴仁。
 鉄心も微笑みとともにそれを受け取り、大事そうに上着のポケットへとしまう。
「安心してくれ。きっと帰ってくるから」
 
 もう一度微笑むと、鉄心は貴仁ともに格納庫へと歩き出した。