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最強要塞決定戦!

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最強要塞決定戦!

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1回戦第3試合 機動要塞マエストーソ VS フリングホルニ・スイカ

 
 
「ええっと、この請求書はなんだ!?」
 自宅でさりげなくテーブルの上におかれていた請求書を見て、御神楽 陽太(みかぐら・ようた)が首をかしげた。買い物にしては、異様に0が多い。
「まさか、エリシアの奴、勢いで本物を買ったのかあ!?」
 やられたとばかりに、御神楽陽太は天を仰いだ。
 
    ★    ★    ★
 
「さあ、第三戦は、エリシア・ボック(えりしあ・ぼっく)さんの機動要塞マエストーソと、イコナ・ユア・クックブック(いこな・ゆあくっくぶっく)さんのフリングホルニ・スイカ仕様の対決となります」
 メインスクリーンに、両機動要塞の姿が映し出された。
 マエストーソはオーソドックスなマ・メール・ロア型で極端な改装はまだされていないようであった。まさに、買いたての新品といった様子である。全体のカラーリングは漆黒で、意外と渋い。
 一方のレンタル・フリングホルニの方は、ど派手な緑と黒の縞々に全体が塗装されている。一瞬普通の迷彩かとも思えるが、よく見れば完全なスイカ模様である。
「あれこそは、敵を欺くスイカ模様。じっと見つめると、目がグルグルと……はうあっ!」
 自分で説明しながら、うっかりと目を回してしまったラブ・リトルがコア・ハーティオンの腕の中に倒れ込んできた。
「雲海の中ですから、迷彩は役にはたちません。見たところ、どちらも艦載機に凝っているようですから、イコン戦が勝負の分かれ目になるかもしれませんね」
 カメラ目線のまま、横手でラブ・リトルを下敷きで仰ぎながら高天原鈿女が言った。
「さあ、それでは、試合開始です!」
 
    ★    ★    ★
 
さあ、行きますわよ、初手は攻撃あるのみですわ。撃つべし、撃つべし、撃つべし!!」
 戦闘フィールドに登場するやいなや、エリシア・ボックが目の前のコンソールをバンバンと叩いた。実に嬉しそうに連打する。
「要塞砲発射します」
 そんなに叩いては壊れると、御神楽 舞花(みかぐら・まいか)が落ち着いて要塞砲を発射した。
 
    ★    ★    ★
 
うきゃあっ!! 本当に撃ってきましたわ。あわわわわわ!!」
 一方のフリングホルニのブリッジでは、偉そうに艦長席に座っていたイコナ・ユア・クックブックが、早くもパニックに陥っていた。面白そうだからと勝手に指令官を名乗ったわけであるが、思っていたものと実際では大違いだ。
 その周囲では、ブリッジ要員として配備していたはずのミニサイズいこにゃたちが、同じようにパニックになってにゃあにゃあと走り回っている。
「ど、どうすればよいんですの?」
 誰かにアドバイスを求めようにも、ミニいこにゃたちは『避けるにゃ』『こわいにゃ!』『こわいから逃げるにゃ!』と叫びつつ、走り回っているだけである。
「そ、そうですわ。とりあえずバリアを張って逃げ……いえ、後ろにむかって前進ですの!!」
 かろうじてバリアを張ると、イコナ・ユア・クックブックが舵を思いっきり倒した。フリングホルニの船体が傾き、転んだミニいこにゃたちがわらわらと武器管制システムのコンソールの上になだれるように倒れ込んでいった。
「ブリッジは、何をやっているんだ!?」
 本来は命令を受けるはずの通信システムから絶え間なく聞こえてくる悲鳴に、カタパルトに固定されたスフィーダタイプのマルコキアスで待機していた源 鉄心(みなもと・てっしん)が頭をかかえた。サブパイロットとして一緒に乗り込んでいるスープ・ストーン(すーぷ・すとーん)も、どういっていいのか分からないのか黙り込んでいる。
 間一髪張られたフィールドバリアによって、敵の砲弾が弾かれた。同時に、何かがカタパルトから発射されていく。
 イコナ・ユア・クックブックのペットであるスパーキングブレードドラゴンのサラダだ。あろうことか、全身に爆薬を縛りつけて生きたミサイルとされている。カタパルトによる加速で、まさにミサイルのごとくサラダがマエストーソに特攻していった。