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美少女サンタのプレゼント大作戦!

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美少女サンタのプレゼント大作戦!

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bold}終章 ――ゲーム終了、そして……

・現在時刻 2時00分 ――ゲーム開始から六時間経過 ゲーム終了

 多少の混乱はあったものの、その後も無事にプレゼントを配り続けることが出来た。生徒達の協力もあり、ひとりあえず空京はほとんどの家にプレゼントを配り終えている。
「ボクお役に立てたでしょうか……?」
 ちょうど近くに戻ってきていた悠希が尋ねる。
「うん、ありがとう。すごく助かったよ」
「い、いやそんな……ドキドキしちゃいます」
 一通りのプレゼントを配り終えた事もあり、各地に散らばった生徒達も次々と空京への帰還を果たしていた。
「うわあ、プレゼントです!」
 翡翠はプレゼントを貰って喜んでいた。フレデリカは、感謝の気持ちをこめて、手伝ってくれた人一人一人にプレゼントを配っていく。
「これは私からの気持ち。みんな、受け取ってちょうだいね」
 ただ、逆にフレデリカにプレゼントを渡そうとするものもいた。
「子供達の笑顔のために頑張っているんだから、はい」、
 鍛冶屋である狐月は自分の作った作品を手渡した。
「ありがとう。でも、まだ受け取れないよ」
 そう、まだ配達は終わったわけではない。今の時点で、自分がクリスマスプレゼントにしてくれるような、貴重なものを受け取るわけにはいかなった。
「一度、これでも飲んでゆっくりして下さい」
 葉月は温かい飲み物を渡し、フレデリカをねぎらった。
 それからも続々配達組がフレデリカのもとに集い始める。さすがに人様の屋根の上にずっといるわけにはいかないので、空京駅前のの広場まで移動する事にした。
 その間に、ウィルネストはパートナーのヨヤ・エレイソン(よや・えれいそん)とある相談をしていた。
「配達が終わったらみんなでクリスマスパーティーをするつもりだったけど、まだ終わってなさそうな感じなんだよな」
「それもあって予約はまだしていない。ちゃんと全部配り終わったらやろうと思うんだが、どうだ?」
「そうだな。お疲れ様って感じでちゃんと終わった後の方がすっきりするよな。よし、じゃあ明日……ってかもう今日か。夜にみんなを集めてやろうぜ!」
 25日、フレデリカの仕事が終わったところで改めてクリスマスパーティをやる、という結論に達した。
「あとでこっそりと人集めないとな」

 
 何十人もの赤と白のサンタ服、中には金色だったり、ちょっと独創的なものもあったが、が駅前に集合している図は、傍から見たらどう映るだろうか。まるで地上のサンタクロースの、プレゼント配達前の会議みたいであった。
「みんな、お疲れ様! 配達、どんな感じ?」
 フレデリカは主に遠出をしていた人達に尋ねる。
「空京の孤児院は大丈夫だよ! でもまだ教会とかはいくつか残っちゃってる」
 と、ミルディア。
「まだ半分くらいです」
 今度はセリナが。それからもそれぞれの状況が報告される。
「ほぼ完全に終わったのは空京くらいか……パラミタって思ってたよりもずっと広いんだね」
 フレデリカは少し落胆していた。それと同時に、祖父の凄さを思い知る事にもなった。
(おじいちゃん、こんな広いところでもちゃんと配れるんだもの。すごいよ)
 ただ、果たして自分が残りを一人で配りきる事が出来るのだろうか。
「フレデリカさんありがとうございます〜。サンタクロースになって配るなんて夢みたいでしたぁ」
 メイベルが言う。同様に、本物のサンタクロースとして貴重な経験が出来て良かったとかえってフレデリカに感謝の言葉をかける人は多かった。
「これからもパラミタに遊びに来て下さい。あの、良かったらお友達になってくれませんか?」
 生徒達は、自分から手伝ってくれただけでなく、これからもよろしくという感じで、友好的だった。最初こそ緊張していたものの、彼女はもう生徒達と打ち解けることが出来ていた。
「みんな、ありがとう。だけど、私はまだちゃんとプレゼントを配り続けなきゃ。おじいちゃん、あたし負けない!」
 一念発起する。その深緑の瞳にはある種の決意がにじみ出いてた。
「おっと、そうだ写真、いいですか? あと、せっかくなんでみなさんも一緒に写ったのも撮りましょう!」
 ちょうどそこに遙遠が写真撮影を申し出る。ちょうどみんなサンタ服だし、本物のサンタクロースと一緒に写ったものは、いい記念になることだろう。
 フレデリカは笑顔でうなずき、他の者もそれに従い、集合する。
「はい、じゃあ撮りますよ」
 まず、フレデリカ個人の写真を撮り、その後集合写真を撮る。
 その間、フレデリカも考えていた。もう少し、こうやって親交を深めていきたいと。
 日付も変わった今は12月25日、まだクリスマスは終わっていない。
(よし……)

 フレデリカは一言、集まっている人達に向けて明るくにこやかにほほ笑み、言った。

「もし良かったら、もう少しの間サンタやってみない?」



                               (完)

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 新年明けましておめでとうございます。
 この度は私の初シナリオに参加して下さり、本当にありがとうございます。
まず、アクションで「サンタクロース」を手伝うという方があまりに多くて驚きました。皆さん、いい人すぎます。
 そんなわけで、その中の何人かには称号を送らせて頂きます。
 初めてのマスタリングということで、至らぬ点は多々見受けられることかと思いますが、今後も精進して皆様を楽しませていけたら幸いです。
 
 さて、連動しているわけではございませんが、プレゼント配達はまだまだ続くようです。今更ですが、皆さまは結有意義なクリスマスをお過ごしになられましたか。
 それではまた次回、別のシナリオでお会いすることを楽しみにしております。