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リアクション
馬上試合開幕
ジェイダスは馬上試合観戦の為にコロセウムの一番眺めの良い席を陣取っていた。
「やはり、馬術部の者が、馬の扱いに長けているかな? それとも新入生に良い逸材がいるかもしれんな」
出場者は以下の8名である。
鬼院 尋人(きいん・ひろと)
熊谷 直実(くまがや・なおざね)
テディ・アルタヴィスタ(てでぃ・あるたう゛ぃすた)
アレフティナ・ストルイピン(あれふてぃな・すとるいぴん)
久途 侘助(くず・わびすけ)
城 紅月(じょう・こうげつ)
ナンダ・アーナンダ(なんだ・あーなんだ)
藤沢 アキラ(ふじさわ・あきら)
この8名でトーナメントをし優秀者がジェイダス校長の熱いキスと抱擁を手に入れられるのだ。
第一試合が始まる頃、真っ赤なマントを身にまとったというか、明らかに何か隠してますよ的なマントの着方で、新入生を案内してくる仮面の男が現れた。
「はいは〜い! 新入生のみなさ〜ん。次は馬上試合見学ですよ〜」
三角の旗を持ってどこのバスガイドさんですかな感じの変熊 仮面(へんくま・かめん)である。
彼は、いつものように企んでいた。
何をって?
何をでしょうねえ?
「師匠見てみて〜! 馬上試合にゃ〜」
変熊のパートナーにゃんくま 仮面(にゃんくま・かめん)である。
「始まるにゃよ。始まるにゃよ。楽しみにゃ〜♪」
猫獣刃のにやんくまはラブリーである。
が、しかし、そこで終わらないのが彼が変熊のパートナーであるゆえんである。
「哀れな家畜の馬コロが、人間にこき使われてるにゃ〜。馬まけるな〜! 上の人振り落とせ〜!」
ちょっと待て。
「うわ、鬼院が物干竿持ってるにゃ。かっこわる!おーい、お前かっこ悪いにゃー!」
あれランスです。
「にゃっ!自転車かっけー! 自転車!」
はしゃぐにやんくまに一歩下がる新入生たち。
僕たちこんな子知りません。
第一試合
テディ対紅月
「ヨメー! 見てるかー! 勝利はオマエに捧げるぞー!」
観客席にいる、自称嫁、パートナーの皆川 陽(みなかわ・よう)に猛アピールする。
陽はにこやかに手を振っている。
テディはがぜんやる気になった。
ヨメにかっこいいところを見せて惚れ直させちゃおう。
そして勝利を捧げようと。
しかし試合は意外な形で幕を閉じた。
場外でパリンと音がしたのだ。
しばらくは気づかなかった。
そして響くヨメの声。
そしてヨメの前には変熊。
マントをたなびかせている。
その時テディの頭の中は真っ赤になった。
馬を下り、ヨメに駆け寄り窮地を助けたのだ。
陽はメガネを誰かに割られていた。
その後の変熊がどうなったかはご想像にお任せします。
モチロンにゃんくまは、逃げおおせました。
めでたしめでたし。
と言う訳で第一試合は紅月勝利。
第二試合
尋人対ナンダ
尋人と何だの戦いはあまりにも一方的だった。
愛馬である『アルデバラン』と共にあり、ナイトとしての研鑽もつんでいる尋人は色々な角度から攻めてくる。
エリート気質のナンダも最初はくらいついていたが、慣れない馬、慣れないランス、将来性は期待できるが、現時点では尋人には勝てなかった。
ナンダはこの悔しさを胸に前に進むしかないのだ。
第二試合、尋人勝利。
第三試合
直実対アキラ
「本気で掛かってこいよ!」
と言って、直実に武器を向け器用にくるくる回し挑発するアキラ。
だが直実は、馬に話しかけている。
「今日は、お前に世話になることになるな」
「ボヤボヤしてると行くぜー!」
「そう簡単にはいかないよ」
直実が武器で受け止めると激しい衝突音。
「わたくしとブリュンヒルドに隙などない!」
直実が武器を横になぐと拍子に明が地に落ちる。
「怪我は無いか?」
「ああ、大丈夫だ。あんた、強いな。また今度一銭頼むな」
「分かった」
「あと、時間がある時にでも学校案内してくれよ」
「それも分かった。次ぎ会ったときにでも」
第三試合直実勝利。
第四試合
アレフティナ対侘助
何でこんなことになってしまったんでしょう。
自転車で参加なんて。
いいです。
こうなったら本気で行きます。
見ててくさいよスレヴィ・ユシライネン(すれう゛ぃ・ゆしらいねん)!
って、何、のん気にコーヒー飲んでるんですか?
その、銀髪の人達なんですか?
その頃のスレヴィはと言うとたまたま見物に来ていたラドゥや初めて見る青年、フェンリルそして佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)達とタシガンこー日の味を楽しんでいた。
弥十郎は、ラドゥに近づくと彼にだけ聞こえるように。
「例の件、有難うございました。とても助かりました」
ラドゥの反応は冷めていて。
「たいしたことじゃない」
そう言ってまた、コーヒーを飲むのだった。
そうしていると新入生の中からもコーヒーの香りに誘われてやってきた者達がいた。
榧守 志保(かやもり・しほ)と骨骨 骨右衛門(こつこつ・ほねえもん)の二人である。
30過ぎに見える新入生と骸骨武者である。
異様な雰囲気を醸し出している。
「俺は、コーヒー砂糖とミルクたっぷりで」
「老け顔のくせにお子ちゃまじゃの。拙者はブラックで味わいたいでござる」
そして、広がる談笑の輪。
それを見ていたアレフティナは本気で勝って見せるんですからと思った。
一方侘助はと言うと恋人のソーマ・アルジェント(そーま・あるじぇんと)から二位を狙えと言われていた、理由は簡単である。
優秀者へ与えられる校長の抱擁と口づけが問題なのである。
ソーマとしては誰にも侘助を渡すなんて考えられないのだ。
そんな感じで始まった、第四試合。
大番狂わせが起こった。
アレフティが勝ってしまったのだ。
侘助の二位でいいという気持ちも反映されたのかもしれない。
この勝利を、アレフティはスレヴィにVサインを贈った。
侘助は悔しがっていたがソーマは心の中でほっと息をついていた。
第四試合アレフティ勝利。
二回戦以降はダイジェストで報告する。
第一試合
実戦慣れしている尋人の方が有利かと思われたが、校長のキスを本気で狙っていて危機迫るものがあった、紅月に20分粘られて転倒。
紅月勝利。
第二試合
アレフティも自転車で奮闘するが、ペダルが外れて戦闘不能に。
直実勝利。
決勝は、白熱したバトルが繰り広げられるが紅月が一瞬のすきを突いてから苦も勝利。
ジェイダスの唇は彼のものとなった。
ディープなキスをしたとかしなかったとか。