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リアクション
「ふはははははははっ!」
「……」
「やっと見つけたよ!宮本 武藏ィィ!!」
「…………」
コマンダーであるドクター・ハデス(どくたー・はです)は待ち伏せをしていたかの様に走る武藏と小町の前に現れた。
その後ろには、大剣士のアルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)と剣に扮したグラップラーの聖剣勇者 カリバーン(せいけんゆうしゃ・かりばーん)の姿もある。
「フハハハ!我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクター・ハデス!」
「そして後ろに居るのは、貴様と戦うと言って聞かないせぶふぉえ――!?」
「ハデス様、ごめんなさい……」
「俺は、聖剣勇者 カリバーンだぜ!!」
「……」
「宮本 武藏殿!東西は違えど、同じ剣に生きる者として相見える事が出来たのは光栄だぜ!」
「だが、俺もいつまでも最強という座を追い求めないわけにはいかない!剣聖と聖剣!どちらがより強者か、我を操るアルテミスを介して、いざ尋常に――!」
「……!」
「ぐぉぅっ!?」
カリバーンが高らかと宣戦布告をする前に、武藏は思い切りのいい一太刀を浴びせにかかる。
足を地面につけ、力を込めるとアルテミスにかかる負荷が一気に大きくなる。
「う……っく……」
「いきなり攻撃とは……卑怯だぜ!正々堂々と勝負をしろい!」
「……拙者は、卑怯者などでは、…………ないっ!!!」
素早く脇に控えていた短刀を横に凪ぐように振るうと、威力に押される様にアルテミスの身体が反対方向へと動いた。
鈍い腕の感覚と、響く頭への鼓動が勝負と言う現実をより一層リアルなものへと昇華させる。
「……勝負を申し込んだのは貴様らだ。最後まで発言を待ってくれる程、勝負の場は優しくはない!!」
「……!……いいぜぇ、武蔵殿!!俺は最高に燃えて来た!!!!」
「……カリバーン様も、ほとほと熱血過ぎですよ」
呆れ返って一人で落としたアルテミスの言葉は誰にも聞かれる事は,
無い。
――
「貴様らも、我らの邪魔をしようと言うのか……!」
「だって、プレゼントを返してもらわないといけないもん」
子供の様にそう言い返したのは広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)。ショートカットの銀髪に、緑のヘッドドレスを着飾ったメイドである。
「武蔵殿と引き離したのも、その為か……!」
「はい、それはあたしの射撃で場所を逸らさせちゃいました!」
お互い、家族、または自分自身を傷つけるわけにもいかず、怒りに任せて暴走している時の話だった。
小町にだけ照準を絞った銃撃が突然襲いかかった。
射撃主は、ロザリアーネ・アイヴァンホー(ろざりあーね・あいばんほー)。多種多様な才能を活かす、ミンストレルだ。
「一応、後で落ち合う約束はしてあるが……。武蔵殿は、無事なのか……?」
「ん〜?何か言った〜?」
「……っ」
「小町さん、ボクが後ろを見張っています。逃げ場なんて有りません。降参してプレゼントを返して下さい」
サムライであるウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(うぃるへるみーな・あいばんほー)も、自分の存在を示す様に脅しをかける。
「今更、やめられるわけが無かろう!話で収まりがつく様な事であれば、既に事は静まっておるわ!」
「そっか……。それなら私たちは小町ちゃんを倒して返してもらわないと行けないな……」
「残念ですが、仕方ありませんね」
「……暴力的なのは、あまり好かないわ」
鞘に収まる刀と銃をそれぞれ引き抜いてから、ウィルヘルミーナとロザリーネは残念そうに呟く。
「誰でもかれでも、邪魔をしおって……」
「邪魔される様な事してるからでしょっ!」
「五月蝿い!!!……貴様ら、ただでは済まさん!!」
異なる二つの場所で、二つの勝負が幕を開ける。
お互い通じて持つのは『意地』、そして――
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