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リアクション
■ゆる族怪人との戦闘2
「武器を捨ててください!」
ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)が、
ゆる族に呼びかけながら、光術を放つ。
なるべく相手を傷つけないようにしつつ、早く戦闘を終わらせたいとソアは思った。
「俺様と同じ、クマのくせに、悪事を働いてるんじゃねえよ!
おとなしくしやがれ!」
白熊のゆる族の雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)が、
茶色いクマのゆる族を格闘で叩き伏せる。
「ッ!」
勇士の薬を事前に飲み、歴戦の立ち回りで素早く反応する男がいた。
エメリヤン・ロッソー(えめりやん・ろっそー)である。
エメリヤンは蹴りでゆる族怪人を転倒させる。
ガン=カタで長身をしなやかに弾ませ、舞うように戦うエメリヤンを、
高峰 結和(たかみね・ゆうわ)は、天使の救急箱を握りしめて見守る。
「エメリヤン、あんなに張り切っちゃって……」
冒険にわくわくした様子のエメリヤンに、
気づいたら結和はタワーの中に連れて来られていたのだ。
「怖いですけど、しっかり皆のサポートをしないとですね……」
結和は、決意を口にして、自分を鼓舞する。
真口 悠希(まぐち・ゆき)は、
魔鎧形態でマントになったカレイジャス アフェクシャナト(かれいじゃす・あふぇくしゃなと)を身につけ、二刀流で戦う。
(なぜこんな事を?)
なんとなく、相手がそこまで邪悪なものではない予感がした。
説得が可能なら、そうしたい。
一行は、協力して、怪人たちを倒した。
怪我をしてうめき声をあげる怪人に、結和が近寄り、治療する。
「あんまり皆さんを困らせるような事しちゃだめじゃないですかー……。
この後ちゃんと、謝りに言ってくださいね?」
「あ、ありがとう、だけど、オレたちは……」
狼とメカのゆる族が言いよどむ。
「どうして、私たちを襲ってきたんですか?
何か、理由があるんですよね?」
「ボクに何かできる事はありませんか?
こんな事を止めるためにも」
ソアや悠希にもたずねられ、怪人たちは顔を見合わせる。
だが、治療をしてもらったことや同族もいることに心を開いたのか、
怪人たちは、ぽつりぽつりと話し始める。
「あの娘はとてもかわいそうな子なんだ」
「かわいい女の子が
あんな目にあってるなんて耐えられないよ!」
怪人たちには首謀者がおり、
その美少女(?)のために行動していたらしかった。
「なるほど」
話を聞いて、ソアたちは事件の全貌が見えかけた気がした。