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春のお花見in葦原明倫館♪

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第13章 花見at体育館


「拙者のように葦原に入学してきた者、あるいは他校から転校してきた者、葦原明倫館にはいろいろな生徒がいる。
 この桜の下で、皆の友好を深められたらと思う」

 他校の生徒を送り出した葦原明倫館だが、まだ花見を終えるには早いよう。
 結城 雅紹(ゆうき・まさつぐ)の提案をハイナが採用し、呼応した各学科生徒代表が動いたのだ。
 体育館には、残っているすべての葦原明倫館生が集まっていた。

「ハイナ総奉行は『打倒鏖殺寺院のためには、わっちら全八校の協力が必要でありんす!』と仰った。
 拙者も鏖殺寺院との戦いでは、その必要性を本当に感じた。
 しかし、その前にまずは葦原の者同士、友好を持つことが必要ではないだろうか」
「ということらしいのじゃが、わっちも賛成でありんす。
 酒も料理も余っておるし、盛大に今日を締めくくろうぞ!」

 雅紹の言葉に、ハイナも肯定の意を示す。
 そして、たったのひと声で、生徒達を盛り上げた。

「本日の花見は大成功でしたね、総奉行。
 確実に、他校との絆も深まったでしょう」

 ハイナの前で膝を折るのは、イレブン・オーヴィル(いれぶん・おーう゛ぃる)
 今回の花見にて、葦原島名物の酒と桜茶の買い付けを担当した生徒である。
 ちなみに参加者が使用していた『杯』も、イレブンの提案によって葦原明倫館の所有物を貸し出していた。

「改めまして、イレブン・オーヴィルです。
 自らの研鑽と、八校の力を合わせて大きな敵に立ち向かうため明倫館へ転校してきました。
 醍醐の花見に勝るとも劣らぬ、葦原の名物にしたいですね」
「そうじゃのぅ、毎年の行事にしてもよいかも知れぬでありんす」
「注意すべきは、例え対立関係にあったとしても、参加に制限を設けないことかと。
 明倫館が八校の協力を唱うならば、どの学校にもわけへだてなく接することが大事です。
 また、他校の校長よりも親しみやすいと思われれば、明倫館に転校する学生も増えるでしょう」

 転校の挨拶を済ませると、イレブンはハイナの杯へと日本酒を注ぐ。
 空にしたらば返杯を、今度はハイナから贈られた酒をイレブンは飲み干した。

「人の未来のため……『御筆先』の示す道を切り開きましょう、ハイナ総奉行」
「他校との協力も大事だが、学校が一丸となることが大事だ。
 ハイナ総奉行の元、葦原は団結して行動しよう……葦原のますますの発展を祈って」
「よう言うた、よろしく頼むでありんす!」

 イレブンと雅紹は、それぞれハイナへと誓いの言葉を述べる。
 気合いに満ちた潔き態度に、感銘を受けるハイナなのであった。

担当マスターより

▼担当マスター

浅倉紀音

▼マスターコメント

お待たせいたしました、リアクションを公開させていただきます。
皆さまのいつもとは違う一面が見られ、執筆中には思わずにんまり。
楽しんでいただければ幸いです、本当にありがとうございました。