リアクション
終章 守護鳥は修行中?
とある初夏の夜。
イルミンスール魔法学校の校長室――
「これがエリザベートさんのランプシェードですかぁ。綺麗ですね〜♪」
ミリアが手に取ったランプシェードは、ルカルカがエリザベートへと作ったものだった。
ちなみに、ルカルカはミリアへもランプシェードを送っている。
「大ババ様とミーミルの分もあるんですが、これがまた綺麗なんですぅ」
アーデルハイトのランプシェードを作ったのはザカコ・グーメルで――
『やはりランプシェードにすると卵の持っている暖かさが伝わってくる気がしますね』
と本人が言っていたように、暖かな光を放つランプシェードとなっていた。
一方、エース・ラグランツがミーミルのために作ったランプシェードは――
『伝統に裏付けされたデザインは美しいからね。その良さをまだ若いミーミルにも楽しんでもらいたいねぇ』
という、メシエの口添えでアンティーク調となっていた。
だが、プレゼントされたミーミルはまだまだ赤ん坊同然なので、綺麗だということしかわかっていなかったようだ。
「あ、飼育日誌も随分たまりましたね〜」
「そうなんですぅ。イースの成長が思ったよりも早くて、今じゃ体長十メートルにもなってますぅ」
「? でも、その割には浮かない顔ですね〜? 何かあったんですかぁ?」
「ん〜……実はですねぇ――」
ガッガッ!!
突然、何かが窓ガラスを強打する音が校長室に響く。
「むぅ……浮かない原因はこれですぅ!」
窓を開けるとそこには――
「エリザベートちゃん、早くぅ!」
「今日は風が気持ち良いんだぜ!」
体長十メートルにまで成長したイースと、その背に跨る生徒達が待っていた。
「実は、皆で飼育する以上、狩りの仕方も教えないといけないんですぅ」
「まぁ、そうだったんですか〜」
「親は沢山いるので飼育は分担できますけど……人工飼育は前例がないので、思っていた以上に大変ですぅ!」
大きく溜息を吐くエリザベート。
しかし、イースは沢山の親たちに囲まれて幸せそうに囀り、その頬を寄せる。
「まったく……甘えん坊さんに育ってしまいましたねぇ。今日は、ビシビシ指導していくから覚悟するですよぉ! 不必要で無益な狩りは厳禁ですからねぇ!」
こうして、みんなで守った命は、みんなで育てみんなと育ち、すくすくと成長していくのだった――。
みな様こんにちは。カルーア・長谷川です!
今回のシナリオは、とにかく勉強になりましたw
まず始めに、鷹や猛禽類についての知識が異常に増えましたw雛の飼育から、餌や成長期間について色々調べながらリアクションを執筆させていただきました。
そして、鳥の刷り込みについては、かなり苦労しましたw。
ぶっちゃけ『刷り込み』についての知識はゼロだったので、鳥類の研究を行ってる団体に電話で色々と取材までしたぐらいですw
まぁ、現実の刷り込み現象とは多少違うところはあるんですが、そこはファンタジーということで!
ではでは、今回はこの辺で。
また次回、お会いできることを楽しみにしています!!