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リアクション
『グゥゥゥ……敵ィッ! 殲滅ッ!!』
――オオオオオオッ!!
千年王は、新たなる契約者たちの出現に闘気を溢れさせる。
「千年王、静まれ!」
と、そんな千年王の前に立ち塞がるレン・オズワルド(れん・おずわるど)が声を上げた。
千年王はその声に反応して、すぐさまサウザンドソードを振り下ろす。
だが、行動予測でその動きを察知していたレンは、すばやく体を動かしてその攻撃をかわした。
千年王は剣を翻し、すぐさま次の攻撃に移ろうと態勢を整える。
しかし、そんな千年王の巨体が不自然に膝をつく。
「王よ、ここは戦場ではない。闇龍との戦いはもう終わったのです!」
エッツェル・アザトース(えっつぇる・あざとーす)はそういって、千年王を縛り付けている奈落の鉄鎖へとさらに魔力を込める。
『ガアアアアッ!』
千年王は叫び声を上げて、その身を捩った。
その様子を見て、レンがつぶやく。
「――やはりこちらの言葉は通じないか」
「そのようだな」
と、アリス・ハーディング(ありす・はーでぃんぐ)がレンのつぶやきに答えるようにそういった。
そしてレンへと視線を向ける。
「さて、レン・オズワルドよ。どうするのだ」
「……待つ」
「待つ、だと?」
「そうだ。千年王を止められる本当の仲間を待つんだ」
「本当の仲間――もしやティフォン学長のことか?」
「ああ、今の時代には千年王の仲間と呼べるのは学長しかいないだろう?」
「来るかどうかもわからない相手を待つとは……馬鹿な男だ」
「――友ならば必ず来るさ」
レンはそういって、サングラスの奥の瞳を細めた。
「エンヘドゥたちの歌も効果はあるかもしれない。だが、本当に千年王を呼び戻せる者がいるとすればそれは背中を預け、戦った友だろう。俺たちの声は届かなくとも、本当の仲間の声ならば届くはずだ」
「それもまた不確定な話だな」
「そうだな。だが、本当の友と顔を会わせると、言葉を尽くしても埋められない時間や空間さえも飛び越えて、在りし日の自分に戻れるものだ」
「その魔法に命を賭けるというのか、レン・オズワルド」
アリスの言葉にレンは笑みを浮かべる。
そんなレンの様子をみて、アリスはため息をついた。
「やはり馬鹿な男だ」
そういったアリスだったが、レンの覚悟と想い、それを護ろう――と、彼女の心は決まった。
そんなアリスやレンのように、それぞれの覚悟と想いを胸に宿した契約者たちは、倒れても立ち上がり、千年王の前に立ち塞がる。
その後ろでも、様々な想いを胸に宿す契約者たちの戦いは繰り広げられていた。
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