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第四章 ある次世代の形 一

 ともあれ。
 ここまでは、わりと「正統派」に近い提案をしてくる面々が多かったが、全員が全員そういう方向に進んでいたわけではない。

「いろいろ提案したい事はあるけど、言葉だけではなかなかうまく伝わらないと思うにゃう」
 そう言いだしたのは、アレクス・イクス(あれくす・いくす)
「そこで今回、頑張ってPVを作ってきてみたんだよ!」
 その隣では、ミミ・マリー(みみ・まりー)が嬉しそうな笑顔を浮かべている。
「おっ、気合い入ってンねェ。そういうの好きだぜ」
 常春のその反応に気をよくしてか、エメ・シェンノート(えめ・しぇんのーと)片倉 蒼(かたくら・そう)がPVの上映準備をしている間に、アレクスが一つ咳払いをしてからこう話しだす。
「数字が欲しいなら、まずは動物と子供を使うことにゃう」
 いきなりどこかのテレビ局の幹部のようなことを言い出す猫のぬいぐるみの図。
 相当シュールな光景ではあるが、当のアレクスは一切気にせずさらに続ける。
「それから、今まで縁のなかった層、ズバリ女性を取り込むにゃう!」
 なるほど、これまでの視聴者層だけで足りないなら、これまではターゲットにしていなかった層にまでターゲットを広げればいい、というのは、これはこれで一つの選択である。
 とはいえ、下手にターゲットを拡大しすぎると、今度は誰を対象にしたものかがわかりにくくなり、結果として虻蜂取らずになることもあるので、その辺りのさじ加減はなかなか難しい。
「方針はわかった。で、具体的にどうすンだ?」
 常春がそう尋ねると、アレクスは自信ありげに笑った。
「そのためのPVにゃう。これからお見せするにゃう」