リアクション
エピローグ10
数日後 天御柱学院 アカーシ研究室
同じく数日後。
天御柱学院に所在する自分の研究室にて、ツァンダでの戦闘の際に得られたデータを改めて分析していたイーリャはデスクの上で携帯電話が振動したのに気付き、電話を取った。
「はい。イーリャ・アカーシです」
どうやら電話の相手は先日の教導団施設五箇所同時襲撃の際に回収された不発弾に使用されていた部品の詳細な分析を頼んでいた相手のようだ。
時折相槌を打ちながら分析結果を聞いていくイーリャ。そして彼女は分析結果を聞き終えた時、驚きのあまり目を皿のように見開き、喘ぐように口を開けて絶句し、思わず携帯電話を取り落とした。
「嘘……そんな……まさか……」
驚きがまだ抜けきらないのか、口をぱくぱくとさせるイーリャ。呟く声は未だ喘ぐようだ。
「分析に回した部品は……全て個体管理番号が合致した……。なら、間違い……なく、この時間軸と世界軸に存在する部品――」
我に返って携帯電話を拾い上げた後も、驚きの余韻はしばらくイーリャの心に残り続けた。