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【第三話】始動! 迅竜

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【第三話】始動! 迅竜

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 土佐 ブリッジ

「よし、始めよう。イコン部隊出撃せよ!」
 艦長席から指令を出し終えた亮一に、オペレーター席に座る高嶋 梓(たかしま・あずさ)からの報告が入る。
「索敵完了。確認された量産機の“ドンナー”タイプおよび、指揮官機と思われる二機以外の敵勢力はありませんわ」
 艦長席のモニターで上がってきた情報に目を通し、亮一は梓に問いかける。
「H部隊各艦とのデータリンクを構築と、葦原、迅龍との通信用のチャンネルはどうなっている?」
 すると打てば響くように梓が答えた。
「各艦とのデータリンクは既に構築済み。通信チャンネルも設定完了しておりますわ」
 頷いた亮一に、梓は更に告げる。
「先行した偵察機からの情報が入りましたわ。解析後、艦隊ネットワークへアップロードしますわね」
 こうすることにより、無線通信と合わせてリアルタイムで敵味方の動きを把握できるようにするのが狙いだ。
 コンソールを叩いていた梓は味方機が土佐に向けて近付いているのに気付いた。
 その味方機が通信を送ってきている旨がオペレーター席のモニターに表示されるが早いか、梓は回線を開いた。
「こちら土佐。高嶋梓ですわ」
 梓が呼びかけると同時、ポップアップしたウィンドウにハーティオンの顔が映る。
『迅竜のハーティオンだ。先程の戦闘で我々は損傷を受けた。済まないが土佐に着艦させてもらえないだろうか?』
 ハーティオンの位置をレーダーで素早く確認した梓は、ヘッドセットマイクに向けて告げた。
「そちらは一機ですの? こちらのレーダーでは二機分の反応が確認されておりますの」
『先程の戦いで大ダメージを受け、自力で動けない機体を抱えているのだが、そちらも着艦させてもらってもいいだろうか?』
「了解しましたわ。こちらで誘導しますわね」
『感謝する』
 ハーティオンとの通信を繋ぎつつ、梓はイコンデッキにも通信を入れる。
「こちらブリッジ。これからそちらにイコンが二機着艦しますわ。受け入れ準備をよろしくお願い致しますわね」