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リアクション
「まだ夢が覚めない……ボスが他にいるっていうの? 空気は淀んでくるし、最悪よ。最悪!」
ジヴァ・アカーシ(じう゛ぁ・あかーし)は、冷めぬ夢のなかで、そう呟いた。
「たっく、勇者ってのは気楽なもんだねえ……スパイ疑惑でいじめ? 情報がどれだけ大事かわかってないんですから。本当のスパイなら迷わず射殺するぐらいをしなきゃならんってのに……」
そうぼやきながらルース・マキャフリー(るーす・まきゃふりー)はタバコを取り出して口にくわえた。
「ルース、オペレーションルームは禁煙だよ?」
それを見咎めて、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)が注意する。
「おっと、済まない……」
そういって、ルースはタバコをくわえたまま
「まぁ、子供に頼らなきゃいけない俺たちが言えたことじゃないか……」
と言うとテキストエディタを立ち上げた。
「まあ、現状を考えると、スパイ行為そのものよりも、その騒動によってもたらされたこの混乱と不破こそが敵の狙うものなんじゃないかと思いますね……」
リカインがそう言うと、ルースは「そうさね」と同意する。
リカインは軍の日報のデータを過去一ヶ月分ロードすると、そこから全文検索システムを使ってスパイに関する情報を集め始めた。「誰から」「どこから」ではなく、「いつから」に限定して……
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