リアクション
シャーロット・モリアーティ(しゃーろっと・もりあーてぃ)は、
大告白大会の様子を見て、
セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)に言った。
「負ける訳にはいきませんね。
セイニィ、私もみんなの前で告白してもいいですか?」
シャーロットは、セイニィに引き止められるのをあえて承知で言っている。
「もう、これ以上恥ずかしいことしないでよ!」
真っ赤になったセイニィが悲鳴を上げた。
「……ふふ、冗談です」
シャーロットは、熱を冷ますように、セイニィのおでこに人差し指を当てた。
「そうですね、私の気持ちはセイニィだけのものですから。
2人だけの秘密にしておきましょう」
「直接言われるのも恥ずかしいんだけど……」
セイニィは、うつむいて、口の中でごにょごにょと言った。
ふと、にぎやかな忘年会会場を見渡して、
シャーロットは今年1年のことを振り返る。
(この一年、心配をかけたり、
一緒に楽しく過ごしたりと色々なことがあったけど、
いつだってセイニィは側にいさせてくれた)
セイニィの横顔を見つめながら、シャーロットは、そこにいられる喜びをかみしめた。
(以前よりも私のセイニィへの気持ちはより強くなっています)
その想いは、クリスマスに伝えたのだが。
改めて、セイニィへと、今年1年の感謝の気持ちを伝えようとする。
「本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いしますね」
「ええ、こちらこそ。来年もよろしくね」
2人は、穏やかな笑みを交わした。
「そういえば、セイニィ、年が明けたら初詣に行きませんか?」
「いいわよ。せっかくだものね」
「よかった」
シャーロットは、にっこりと微笑んだ。
「では、よろしければ、着物で行きませんか?」
シャーロットの提案に、セイニィはうなずいた。
「いいわよ。
そういえば、シャーロットにもらったクリスマスプレゼントの黒引き振袖、
さっそく着て初詣できるチャンスよね」
「でも、あたし、自分で着付けできるかなあ……」
そうつぶやきつつ、セイニィは、初詣を楽しみにしてくれているようだった。
シャーロットは、プレゼントを喜んでくれていること、
そして、年明けの楽しいイベントに、心が暖かくなるのを感じるのだった。