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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!

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月摘 怜奈(るとう・れな)は、
送迎役として、長曽禰 広明(ながそね・ひろあき)を待っていた。
部下として、教導団に戻る長曽禰の代わりに、
運転を担当しようと思っていたのだ。

(……それにしても、今年は本当に色々あったわ。
でもそれを言ったら長曽禰さんの方が大変そうだったし……。
年長者という事もあるだろうし、
あまり他人に頼るような人じゃないのは分かるけれど、
それでももう少しぐらい頼って欲しい……っていうのはわがままかしら)
今年一年の様々なことを振り返り、怜奈は物思いにふける。

そこに、ロビーへと帰り支度をした長曽禰が現れる。
「忘年会、いかがでしたか?
少しはリフレッシュして頂けたらいいのですが……」
「ん、お前も楽しんでくればよかったのに。
もしかして、オレを待っていてくれたのか?」
長曽禰に、怜奈は微笑を浮かべた。
帰りの運転のため、自分はお酒を飲まないでいたのだ。
「私は長曽禰さんの部下ですから」
「そうか、ありがとうな」
長曽禰も、微笑を返した。

エアカーに長曽禰を誘導すると、
助手席に乗ってもらい、怜奈は運転席に座る。
このまま、教導団の宿舎まで送り届けるつもりだった。

静かな車内で、長曽禰の横顔を見つめながら、
怜奈は口を開いた。
「ニルヴァーナでは立て続けに色々ありましたし、お忙しいのは見ていれば分かります。
でも……正直、見ていて心配になります」
「オレのことがか?」
「はい」
怜奈は、失礼かもしれないと思ったのですが、と付け加え、言った。
「私はまだまだ力不足です。周りより歳は重ねて、
人生経験はありますが……それでも頼りないと思います。
それでも、私は少しでも長曽禰さんの手助けがしたいんです」
元警視庁所属の刑事である怜奈は、
年若い契約者に比べれば年長である。
それでも、まだ二十代後半と、長曽禰と比べれば十分、年下だった。
真剣な表情で、怜奈は続けた。
「だから、もう少しだけ部下を頼ってくれませんか?
もちろん出来ない事もあります。
でも、少しだけでも長曽禰さんの負担が減らせたら」
そこまで言ってから、怜奈は、長曽禰でなく、エアカーの窓の外に視線を集中させた。
「……すいません、出過ぎた事を申し上げたかもしれませんね……」

「いや、そんなふうに心配してもらってうれしいよ」
長曽禰が、優しい口調で言った。
「だが、オレはけして無理はしていないつもりだ。
だからこそ、今までずっと現場でやってこれたんだからな」
「長曽禰さん……」
長曽禰は、優しい視線を怜奈に向けた。
「むしろ、お前ら若い奴らの方が、無茶しやすいからな。
時々心配になる。あまり、抱え込むんじゃないぞ?」
逆に心配されてしまい、怜奈は、軽くため息をついた。
ああ、この人にはかなわないな、と思いながら。

「新しい年もよろしくお願いします、長曽禰さん」
「ああ、よろしく」
2人は、穏やかな笑みを浮かべ、挨拶を交わした。