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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!

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【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!

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【恐竜騎士団中隊長】の地位を持つ
如月 和馬(きさらぎ・かずま)は、
忘年会会場にも参加している、地位の高い女性達について思いを巡らせていた。

(まずラズィーヤだが、彼女は常に計算ありきの女性だろうし、
実質的な百合園の統括者としての立場もあり恋愛結婚は難しいだろう。
ラズィーヤ個人だけの問題ではなく、
名門ヴァイシャリー家も絡めて考えれば
相手に求めるのは最低でもラズィーヤに見合う立場、
地位が必要であり浮いた噂もなく結婚は当分、先だろうな。
それに、年齢が22歳という事で
貴族の結婚適齢期としては行き遅れの可能性も出てきているから、
トウの立った女性を受け入れてくれる貴族は多くはないかもしれない。
オレはパラミタの結婚制度に詳しくはないが、
親近者同士の結婚も可能であるなら
ミケーレ・ヴァイシャリーあたりと結婚すれば地盤強化に繋がるのでは?)

……などと、その信憑性はともかく、
ラズィーヤ本人が聞いたら大変なことになりそうなことを考える和馬であった。

一方、和馬はアイリス・ブルーエアリアル(あいりす・ぶるーえありある)をちらりと見る。

(アイリスはアスコルド大帝が崩御したことで、
エリュシオン皇女としての肩書が薄まり、
これまでの恋愛や結婚への障害が減ったとみていいだろう。
以前はアスコルド大帝の後盾を得ようと多くの男達が群がってきたと思うが、
それがなくなった今、
アイリスに近付く男は基本的に皇女としてではなく
アイリスという一人の女性としての自分を見てくれているという錯覚が、
本人にはあるかもしれない)

もし、その予想が真実であるならば、アイリスと親しくなるには好機である。
野心家の和馬はそのように考えていた。

「アイリス」
エリュシオンの恐竜騎士団の一員として、和馬は恭しくアイリスに一礼する。
「このたびは、アスコルド大帝のご崩御、誠に遺憾だと思う。
実に偉大な御方を亡くしたものだ。
にもかかわらず、貴女は、気丈にふるまわれ、
以前よりシャンバラとエリュシオンの友好に尽力されている。
実にすばらしいことだ」
「ありがとう。
やや、僕のことを買いかぶりすぎな気もするけれどね」
アイリスは、微苦笑を浮かべる。

「ところで、唐突な申し出だが、
帝国で最強の呼び声高いアイリスに、ひとつ稽古をつけてもらいたい」
「僕と剣を交えるというのかい?」
「ああ。どうだ。軽く食後の運動にでも?」
挑発的な視線を送る和馬を、アイリスはしばらく見据えると、やがてゆっくりとうなずいた。
「いいだろう」
「感謝する」

アイリスとは、剣を交えた方が言葉を交わすよりも親交が深まるだろう。
和馬はそう考えたのだった。

会場の一角にスペースが作られ、忘年会の余興として剣の稽古が始まる。

(せめて、一矢報いることができれば!)
自動車殴りで門松を投げつけ、意表を突こうとする和馬だが。
気づいた時には、アイリスが目の前に迫っていた。
そして、腕がじんじんとしびれている。
剣を弾き飛ばされたのだと、
やや遅れて和馬は理解した。

「君の戦い方には勢いがあるね。
今後が楽しみだ」
アイリスにねぎらいの言葉をかけられ、和馬は礼を述べる。
「ありがとう。……やはりお強い」
やはり、力を失っても、アイリスは強い。
そう、思い知る和馬だった。



一方、和馬のパートナーのエトワール・ファウスベルリンク(えとわーる・ふぁうすべりんく)は。

(リア充爆発しなさいリア充爆発しなさいリア充爆発しなさい!)
百合園女学院の良家の娘達に嫉妬しながら、暴飲暴食を繰り返していた。
(せっかくのパーティーでただで豪華な料理が食べ放題ですからね。
どうせ私には出会いのチャンスなんてないでしょうけど、
美味しいものをお腹いっぱい食べられれば万々歳です)

ふと、楽しそうに談笑している百合園生達を、エトワールはすごい目つきでにらみつける。
(ふん、どうせ、貴族達は皆、コルセットで偽装しているもの。
脱がしてみるまでは本当に美しいかはわからないですよね。
だいたい、毎日、運動もせずにお菓子とケーキばかり食べている女性は
ぜい肉ぶよぶよに決まってます!)
自分の外見へのコンプレックスから、
エトワールは心の中で呪詛の言葉を楽しそうな者達にぶつけ続ける。
(成人病にでもなってしまいなさい!)

「くっくっくっく……」
怪しい笑いが口元から漏れ、その異様な雰囲気に、
周囲からは人が離れていくのであった。