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リアクション
43)
空京のデートスポットにて、
愛と平和を守るため、パトロールをする魔法少女が2人。
【革命的魔法少女レッドスター☆えりりん】こと、
藤林 エリス(ふじばやし・えりす)と、
【魔法少女アウストラリス】こと、
アイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)であった。
「ごるあああああああああああ!
リア充爆発しろやー!」
「きゃああああああ!?」
「うわあああああああ!?」
ふんどし姿のパラ実生が、カップルを襲っているのだ。
「愛と正義と平等の名の下に!
革命的魔法少女レッドスター☆えりりん!
恋する乙女の聖戦たるバレンタインを邪魔するなんて、
愛の使徒たる魔法少女が許さないわ!
あんた達には、チョコの代わりにとびっきりビターなお仕置きをプレゼントしてあげる☆」
「同じく、魔法少女アウストラリス!
パラミタと地球の平和を守るべく、悪にはお仕置きが必要なようね!」
「な、なんだてめえらは!
珍妙な恰好しやがって!」
「な!? 魔法少女のコスチュームを珍妙呼ばわりとはいい度胸ね!」
「ふんどしの日だからって、こんな寒いのにふんどし姿の人達に言われたくないわ!」
「うるせえ!
今日はこれが正しい格好なんだよ!
てめえらもふんどし姿にしてやるぜ!」
「こ、このド変態ども!?」
「レッドスター☆えりりん!
ここは、合体魔法で攻撃よ!」
「わかったわ、アウストラリス!」
2人の魔法少女の姿が、空中で交錯する。
「蕩けるチョコの気持ち、身体で味わってみる?
さーちあんどですとろい!」
「星の角に頭をぶつけて頭を冷やしなさい!
シューティングスター!」
「うぎゃあああああああああああああああああ!?」
合体技を喰らったふんどしパラ実生に、エリスがとどめを刺す。
「そんなにふんどしが好きなら乾布摩擦でもしてなさいよ! ブリザード!」
「うひゃあああああああああああああああああああ!?」
ふんどしパラ実生達は氷漬けになってしまった。
そして、エリスは、パラ実生達ににじり寄り、
一口サイズの小さな義理チョコをばらまく。
「今日は特別!
魔法少女からちょっぴり愛のおすそ分けよ☆
それ食べて大人しく帰りなさい♪」
「うおおおおおお……」
パラ実生達は、感涙にむせび泣いた。
「やったわね、エリス」
「おつかれさま、アイリ」
2人はお互いをねぎらう。
「あ、そうだ、アイリ。
あの、その……あ、あんたもチョコ食べる?」
「え、チョコ?」
「こっ、これは別に、変な意味じゃなくってっ!
そ、そう、アフリカのカカオ農家支援のために
フェアトレードチョコレートの売れ残りを
大量購入したから余っちゃってっ!
搾取と貧困にあえぐ万国の労農階級への支援と連帯の為の活動の一環よ!
あんたも正義の魔法少女なら黙って食べなさい!」
エリスが、アイリと目を合わせずに、チョコを突き出す。
それは、虹色スイーツで作った、エリスの特別なチョコであった。
「どうもありがとう。
とってもうれしいわ」
「そうね、カカオ農家さんたちもきっとうれしいわ!」
エリスのバレバレな嘘をあえて指摘はせずに、
アイリは、にっこりと微笑んだのだった。