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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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40)

空京の町にて。

ローグ・キャスト(ろーぐ・きゃすと)は、
夏來 香菜(なつき・かな)を誘って、街を歩いていた。

「こうして、サシで話す機会も今までなかったよな」
「そうね。こういうのも新鮮で楽しいかも……」
そう、ローグに、香菜があいづちを打った時。
「え、いない?」
ローグは、香菜の目の前から、姿を消していた。
「ちょっと、どこ行ったのよ!?」
香菜が、あわてて周囲を見渡すが、
雑踏の中、ローグの姿はどこにもない。
「なんなのよ、いったい……」
香菜がいらだちをあらわにした時。
「お待たせ」
「きゃあっ!?」
いきなり、ローグが香菜の後ろから現れた。
「飲み物買って来た」
「あ、ありがと……」
紙コップを受け取り、香菜がお礼を言う。

しかし。
「って、いきなりいなくならないでよ!」
「いや、いなくなってないだろ」
「一緒に行動するときは、ちゃんと同じ場所にいる!
どこか移動するときは一声かける!
集団行動を乱さない!」
「お前、ほんとに、委員長っぽいのなー」
「茶化さないで、真面目に聞きなさい!」
「はいはい。なるべく努力するよ」
「ちゃんと努力しなさいよ!」
そんなふうに、香菜に叱られるローグだったが。

「俺、けっこうお前のこと気にいってるんだ。
だから、今日は付き合ってくれてありがとうな」
「……まあ、私も、なんだかんだでけっこう楽しかったかも。
どうもありがとう」
「これ、手紙。後で読んでくれ」
「あ……」
香菜に手紙を渡した後、ローグの姿は消えていた。
「ほんとに、神出鬼没なんだから……」